見出し画像

コロナ禍こそできる!塾なし県外受験(高校編)

我が家は親の転勤のため、子が中学生の途中で他県に転校し、高校生になる時に愛知県に戻るという選択をした。

最終学年である中学3年生は受験準備を始める頃だ。初めて経験する受験が県外からになったため、学校の先生に頼ることができず、塾にも行っていなかったので、親も子も最初は不安でいっぱいだった。

でも、結果的に、塾に頼らなくても県外受験は成功!その流れを記録しておく。

県外受験とは

A県在住でA県の中学校に通いながら、A県在住のままでは遠距離で通えないB県の高校を受験することを指す。(A県→B県へ転居予定)

高校の場合、大きく分けて私立公立(県立・市立)に分かれる。国立や高等専門学校などもあるが、ここでは、一般的な高校を扱うこととする。

私立高校は学校所在地の都道府県に住んでいなくても受験できるが、公立高校は学校所在地の都道府県に住んでいないと原則受験できない。また、複数の都道府県の公立高校を受験することもできない。しかし、親の転勤による転居など正当な理由があれば、受験時には学校所在地の都道府県に住んでいなくても、合格後その都道府県に移住して通学するという前提で受験することができる。ただし、入学までに親とともに住民票を学校所在地の県に移さなければならないなど制限がある。

都道府県によっては指定の学科や部活に入るという前提等例外もあるので、必ず事前に(秋くらいまでに)県外受験する資格があるかどうかを教育委員会に確認をした方がよい。

以下、「都道府県」を「県」と省略する。

通常の受験と県外受験との違いは?

A県の中学校の先生は、A県の入試情報しか知らないことがほとんどなので、B県の入試情報は個人で収集する必要がある。出願には在籍中学校が作成する書類だけでなく、県外受験者だけが必要な書類もあるので、担任の先生とよく相談して連絡を取り合うことが必要となる。合格通知書を受け取り、最終的に進学先が決定するまで、在籍中学校と進学先高校との間にも事務的なやり取りが発生するので、担任の先生とのコミュニケーションは大切だ。

いつから準備すればいいか?

最終学年である3年生からでも間に合うが、もし県外受験の可能性が早めにわかっている場合には前年度2年生から準備を始めると楽だ。なぜなら、試験制度に大幅な変更がなければ1年の流れはだいたい同じなので、余裕をもって対応できるからだ。受験する予定の県に関する情報を持っていない場合は、取りこぼしや予定外の変更などがあったときに必要以上に焦ってしまうことがあるので、情報収集は早めにしておくと安心だ。

どの時期にどんなイベントや手続きがあるか大まかな流れを見ておくといい。

まずはどんな学校があるか調べてみる。

3年生になると、A県の中学校から、通える範囲にある様々な学校のパンフレット・ちらし類が配られたり、学校説明会・見学会などの案内がある。万が一県外受験を取りやめ、県内受験になっても大丈夫なように、A県・B県両方の学校を並行して探してみるといい。比較することで、行きたい学校を絞っていくことができる。

学校選びのポイントは県外受験に限ったことではない。通学経路、通学時間、授業内容、学校祭・部活など授業外活動、卒業生の進路状況、制服、校風などから実際に通学することをイメージして自分に合ったところを選びたい。

公立を受験する場合は、私立も併願するのが一般的なので、最初はどちらかに決めずに両方並行して選んでいく。

〇〇県私学協会や〇〇県教育委員会のWebサイトなどで、各県の私立高校、公立高校の一覧表を探してみると便利だ。

県で学校紹介のガイドブックを発行していたり、私立学校展が開催されたりすることもある。まとめて情報収集でき、私立学校は資料を集め個別相談もできるチャンスなので、ぜひ利用したい。

学校説明会に参加して高校生活をイメージする。

学校説明会や見学会は、毎年だいたい同じ日程で夏休みや秋の休日に実施する高校が多い(中には1学期中に実施する高校もあるので要注意)。
(令和3年の受験スケジュールは新型コロナウィルスによる一斉休校があったため、例年より後ろ倒しになっている。)

公立は1回しか実施しない高校も多いので、ここはと思う高校があれば早めに日程(申込締切日、実施日、実施内容)を調べておく必要がある。
出身中学校を通して申し込む場合と、個人で申し込む場合があるが、県外受験の場合は個人申込ができる。不明な点があれば、各高校に直接確認してみるとよい。

新型コロナの感染状況によっては中止や変更になる場合があるので、各高校のWebサイトをこまめにチェックするのは必須だ。

私立の場合、県外といっても、隣接している県とそれ以外の県では対応が異なる場合があるので、個別相談を利用するとスムーズだ。

B県の入試制度をA県と比較して確認。

入試制度は、県によってばらつきがあるので、しっかり調べる必要がある。

推薦入試、特色入試、一般入試など、種類がいろいろあるし、日程も県によって違うので、間違った思い込みをしないよう、担任の先生に説明できるくらいまで理解しておこう。

内申書がどれだけ重視されるのか、いつの内申が入試に関係するのかは、学校によっても異なる場合がある。内申書は合否に関係ないという私立高校もあるので、内申点が心配なら私立に絞ることも選択肢の一つだ。

内申点自体は絶対評価なので、どの学校に在籍していても同じ評価基準のはずだが、なぜか相対評価をしている学校があると噂には聞く。調査書(内申書)は見ることができないが、指定の調査書がある場合は入試要項にフォーマットが掲載されているので、記載項目は確認することができる。

愛知県の公立高校は、内申点は3年時のみ、同時に2校まで受験できるというレアなケースだが、2校の組み合わせには制限がある。地理的な条件もあるので、出願時になって困ることのないように、よく調べておく。

模試を受けて、自分の立ち位置を知る。

行きたい高校がある程度決まっても、現時点の成績で合格圏内なのかどうかは在籍中学校ではわからない。入試問題の傾向も違うし、ライバルになるのはB県在住の中学生だからだ。そこで、塾に行っていない一般の生徒も受けられる模試が利用できる(例:〇〇県全県模試)。

塾に頼らない場合は必ず1回は受検して学校選びに役立てるとよい。おすすめの受検時期は、夏休み後半と冬休みだ。夏休み後半の受検では、受験校の候補が上がり、2学期以降にどれだけ頑張ればよいのかがわかる。冬休みの受検は最終決定の判断に使える。

コロナ禍では、会場ではなく自宅で受験できるようになった。自宅でも、本番同様に環境を整えて時間を計測して臨み、どの程度の力が発揮できるのか確認する。

受験校を絞る。

学校説明会・見学会に限らず、高校を何校か実際に見に行ってみることで、受験校を絞っていくことができる。コロナの感染状況や交通費、時間の関係で県外に行く機会が少なくなるかもしれないが、高校生活のことを考えると、ここは外せない。1日で候補の高校を一度に回るという日程でもいいし、A県で似たような高校を見てみるというのでもいい。パンフレットやWeb上の口コミなどの情報だけで決めてしまうと、入学後に後悔することにもなりかねない。

できる限り、確実に合格できそうな学校を必ず候補に入れること、万が一のことを考えて複数の学校を受験すること、そして、第1志望も決して高望みしないことだ。試験前日にはB県入りして、体調等を整える余裕を持たせたスケジュールも合わせて考える。B県在住の受験生と違って、いつもと違う環境から受験会場に移動することがハンデになるからだ。

担任の先生と打ち合わせる。

募集要項や出願に必要な書類の取り寄せを中学校の先生にしてもらうのか、自分でするのかを確認する。私の場合、担任の先生がB県の入試制度を良く知らないので、手違いがおこらないように自分で取り寄せした。私立の場合は各学校に直接Webからか電話、個別相談などで送付をお願いした。公立の場合は、県教育委員会のWebサイトに取り寄せ方法が載っていたので、それを見て取り寄せた。公立は基本的に郵送代は自分持ち。出願時に役立つので、郵便のやり取りにも慣れておくとよい。

取り寄せた書類のうち、中学校が必要な書類を担任の先生に渡し、学校が作成する書類は何か、いつまでに何を用意するか、書類提出の締切日などを打ち合わせておく。願書は締切日を過ぎたら一切受け付けてもらえないので、何が起こってもいいように、余裕を持ったスケジュールにしてもらうとよい。

受験対策をする。

模試では公立の入試を意識した問題が出されるが、形式や出題範囲は若干違う。私立の入試問題は、各校様々な傾向があるため、入試当日に驚いて持っている力が発揮できないということのないよう対策をしておく必要がある。

私立の入試問題は、公立よりも難しい傾向があるが、合格ラインは低いことが多いので、問題が難しくても合格ラインに届けば大丈夫。合格ラインは、各学校からの資料に載っていたり、個別相談で教えてくれたりする。

B県の公立高校過去問題集、私立の各高校過去問題集は、過去5,6年くらいまでの入試問題と解答が載っている。冬休み前までには手に入れ、新しい年度の問題から順に時間を計測して解いておきたい。国語の問題は、著作権の関係で一部の問題が載っていないことがあるので注意。傾向が変わる年もある。売り切れていたり、入荷までに時間がかかったりする場合があるので、受験校が決まったら早めに購入すると良い。

推薦入試・特色入試か一般入試か?

要件を満たせば、県外からでも推薦・特色入試の受験は可能だ。しかし、推薦要件には居住地の範囲が指定されている場合があるので、難しいかもしれない。一般入試も視野に入れて準備しよう!

いよいよ出願!

中学校から出願する場合と個人で出願する場合がある。受験料の支払い方法や、出願後の受験票の受け取りにも関係するので、各高校の手続き方法を確認し、不明点があれば事前に問い合わせておく。コロナ禍で、郵送で出願できるようになったので、出願のためにB県へ行かなくてもよくなった。ただし、簡易書留を含む郵送代は自分持ちで、重量によって変わる。受験票が入試の直前に届く場合があるので、入試本番のためのB県への移動時期と合わせて確認が必要だ。

私立の受験料は、コンビニ払いやクレジットカード、銀行振込(窓口)など様々だ。窓口での銀行振込は、指定銀行に平日の営業時間内に行かなくてはならない。冬は雪など悪天候に見舞われる場合があるので、ミスなく早めに処理できるようにしたい。

県立高校の場合は、受験料としてB県の収入証紙が必要だった。これは、B県でしか手に入れることができない。試験日程の早い私立高校受験の際に手に入れておいた。受験料が現金支払いの場合は、現金書留を指定された。

受験本番!

出願が終わり、受験票が手元に届いたら、いよいよ受験。B県への移動があるので、とにかく体調管理に気をつける。天気予報をチェックして、防寒具や雨具の用意も念入りに。入試日程がお昼をまたぐ場合は、お弁当を用意する必要があるので、何をどうやって調達するかも考えておく。

入試直前の数日前から緊張し始め、よく眠れない場合に備え、少しでも不安が軽減されるよう、お守りになるようなものもあるといい。

当日は、余裕を持って出発した方がいい。地元の受験生が同じ学校出身同士、大勢のグループで行動していたりするので気後れしてしまいがちだ。早めに会場入りし、待ち時間にすることをあらかじめ決めておくと安心。もちろん、何もしないと決めておくのもいい。

欠席した場合どうなるか?

万が一のことを考え、当日無事試験会場に送り届けるまでは気が抜けない。事故や感染症などで欠席した場合、救済措置として追試が実施される場合がある。欠席・遅刻の場合どこに連絡するか、中学校とどう連絡を取るか、手続きはどうするか、必要な書類は何かなど、事前に調べておき、いざという時に困らないようにしたい。

ドキドキ合格発表

合格発表は、コロナ禍でWeb上で行う高校が増えた。中学校を通じてだったり、郵送で通知されたり、学校によって違うので、これも事前に確認しておきたい。

発表後は、私立の場合すぐに入学金を払わなければならない。併願受験の場合は、公立の合格発表後と2回に分けて払うことになる。複数受験した場合は、どの高校に支払うかも決めておく必要がある。

合格通知書を直接受け取る必要がある場合、当日はB県にいた方がよい。県内受験者が中学校を通じて受け取る県では、中学校が発行する委任状のような書類が必要だ。

オリエンテーション

公立の発表後は、すぐにオリエンテーションがあり、入学までに準備するものなどの説明を受けたり、物品の注文、購入をしたりなどで忙しくなる。これに、県外受験の場合は引越し作業が加わる。

公立であっても、授業料が無料になっても、それ以外の入学前の出費は大きい。これについては、こちらの記事を参照。

まとめ

県外受験の流れはこんな感じだ。郵送を含む事務作業が苦ではなければ、1年の流れがイメージできていると、それほど難しいことではないだろう。でも、公立受験をするとなると、卒業式や引越もあるので3月から4月の入学までが1年で一番忙しい時期になる。A県との別れを惜しむ暇もなく、B県に落ち着くまでしばらく時間がかかる。卒業式がいつか、引越の時期をいつにするかにもよるが、覚悟して臨みたいところだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?