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中国のしばき役だったトランプを不法な手段で葬った米民主党の責任は重い。

以下は、2022/4/15に出版された高山正之の著作「バイデンは赤い」からである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。

随分前に、世界中のプリマから大変な尊敬を受けているモナコ王立バレエ学校の老女性教授が来日した。
その時に彼女が芸術家の存在意義について語った言葉である。
『芸術家が大事な存在なのは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する事が出来る唯一の存在だからです。』
彼女の言葉に異議を唱えるものはいないだろう。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであるだけではなく、戦後の世界で唯一無二の芸術家と言っても全く過言ではない。
一方、大江…彼については、故人を悪くは言いたくないが。
村上等、作家と称する人間達、自分達を芸術家だと思いこんでいる人間達の多くは、芸術家の名にも値しない存在なのである。
何故なら、彼らは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する、どころか、朝日新聞等が作り出した嘘を表現して来ただけの人間達だからである。
彼らの様な存在は、日本に限らず、世界中の国においても同様なはずである。
つまり、真の芸術家とは、極少数しか存在していないのである。
私が、今の世界で、最もノーベル文学賞に相応しいのは、高山正之を措いて他にはいない、と言及している事の正しさを、本論文も見事に証明している。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
見出し以外の文中強調は私。

米国が好む「神聖な使命」の結末
マニフェスト・デスティニーは神が与えた神聖な使命と訳される。 
新大陸に入った米国人がインディアンをぶち殺して西海岸まで領土にしたことを正当化する言葉だ。 
カナンに入ったイスラエルびとが先住の民を殺して建国したのと似る。
だから「我々は現代のイスラエルびとだ」とハーマン・メルヴィルは言った。 
ただ地中海の海岸線に出たイスラエルびとがそこで満足したのに対し、西海岸に出た米国人は「太平洋の先まで神聖な使命の範囲」(ハリソン第23代大統領)だと言い出した。 
で、ハワイ王朝を取ったが、次の大統領クリーブランドは「そこまで使命は及んでいない」と併合を拒否した。 
その次のマッキンリーは「いや使命にはもっと先がある」とハワイを併合し、グアムもフィリピンも領上にした。
あとは中国を取ってマニフェストは上がりのはずだったが、そこに日本が立ち塞がった。 
以後の米国は日本を滅ぼすことに専念した。 
ウッドロー・ウィルソンは中国と組んで日貨排斥をやり、フランクリン・ルーズベルト(FDR)は日本を黴菌と罵って国際社会から村八分にした。 
「武漢コロナ」より遥かに失礼な言い方だった。 
その上で太平洋艦隊を孤立無援の真珠湾に囮として置き、日本に経済封鎖の嫌がらせを繰り返した。 
窮鼠かえって猫を噛む。
噛まれ役は御免だと真珠湾に行かされた太平洋艦隊のリチャードソン提督が抗議したらFDRは即クビにした。 
日本はFDRの罠に嵌り真珠湾を奇襲した。
彼はそれを待って「3ヵ月で日本を消し去る」と世界に約束した。 
ただそうはならなかった。
日本は3年も頑張り、欧米の植民地を解放した。 
「日本人は白人のアジア侵略を止め、帝国主義も植民地主義も人種差別までも終止符を打った」(アーノルド・トインビー) 
それがFDRの後任でKKKの一員だったトルーマンを怒らせた。
「けだものはけだものらしく扱う」と原爆を投下した。
神聖な使命の終着点に着いた彼は遅れた中国の近代化を民主党の高額献金者エドウィン・ポーレーに命じた。 
ポーレーは日本の重工業施設をそっくり上海辺りに移して中国の市場経済を活性化させ、米国産品を買わせる方針を立てた。 
一方、日本には綿糸工業だけを許し、収益は戦時賠償に充てさせる。
日本はもはや脅威でもなくなるはずだった。 
とてもいい計画に見えたが、肝心の中国が共産化し、朝鮮戦争まで起きて日本の工業力がどうしても必要となった。 
工業国日本は潰されずにやがて経済大国として蘇えっていった。 
こうなるとFDRの責任が問われる。
日本を怒らせておいていざ戦火が広まるとそれを抑え切れなかった。
結果、欧州諸国は軒並み虎の子の植民地を失って昔の欧州の貧乏国に戻ってしまった。 
だからオランダ人もフランス人も日本嫌いだが、同時に無責任なFDRも嫌った。 
欧州復興のマーシャルプランは有り体に言えばFDRの不始末のお詫びを形にしたものだ。 
米政府はそれで戦後も日本潰しを画策し、中国の市場にも執着し続けた。 
ニクソンは自立外交を始めた角栄を金脈問題やロッキード事件で叩き潰した。
クリントンは日本を徹底無視したジャパン・ナッシングを演出し、一方、江沢民を国賓として招いた。                                                                                    
真珠湾に立ち寄った江沢民は「日本は米中共同の敵」と演説し、先の戦争中の米中関係を復活させた。 
一般にオバマの時代に米国の「神聖な使命」は達成されたとされる。中国はもはや米国なしではやっていけなくなったからだ。 
米国も実は中国なしではやっていけなくなっていた。
だからオバマは中国の南沙領有もウイグル人淘汰もみな黙認せざるを得なかった。 
もしかしたら主客転倒というか、中国が米国を「神聖な使命として取り込んでいた」という疑念すら持ち上がった。 
楊潔篪が米国に「強国ヅラするな」「無作法者が」と上から目線で罵ったこともその証の一つだ。 
中国のしばき役だったトランプを不法な手段で葬った米民主党の責任は重い。                                 
(2021年4月1日号)

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