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学者は、財務省と日銀の言うことさえ聞いていれば、大学に予算が付き、自分たちは審議会などに呼ばれてハクが付く。

学者は、財務省と日銀の言うことさえ聞いていれば、大学に予算が付き、自分たちは審議会などに呼ばれてハクが付く。
2018年05月31日
以下は前章の続きである。

アベノミクスは、それまでの日本を陰で牛耳ってきた財務省や日銀の経済政策とは、まったく正反対だったからである。 
財務省はとにかく増税を目標にしている。
増税こそが財務省の財布を大きくして、各省や政治家に配分する原資になると信じている。
財布が大きくなってばらまく金額が大きくなればなるほど、財務省の権威が高まると思っているのだ。
実は増税したところで、景気が悪化して税収が減ってしまえば元も子もない。
増税=増収ではないからだ。 
一方、日銀は金融引き締めこそが正しい道と信じていた。
1980年代のバブル景気に懲りた彼らは、インフレ阻止を至上命題にしている。
少しでも景気過熱の気配が見えれば、金融引き締めというムチをしならせて、企業や家計に規律正しい行勣を教えるのが自分たちの役割、と信じていたのである。 
財務省と日銀の政策を合わせれば、「増税+金融引き締め」という不況まっしぐらのとんでもない政策パッケージになる。
だが、第二次安倍政権が誕生した12年当時は、主流とされた経済学者やエコノミストの間で、そんな政策思考が蔓延していたのである。
 
なぜ、学者やエコノミストたちが「財務省・日銀思想」に溺れていたかといえば、それが彼らの利益に適っていたからだ。 
学者は、財務省と日銀の言うことさえ聞いていれば、大学に予算が付き、自分たちは審議会などに呼ばれてハクが付く。
雑誌への寄稿や講演のアルバイトにも事欠かない。 
銀行や保険会社、証券会社が親会社になっているシンクタンクなどのエコノミストは、もちろん財務省や日銀には楯突けない。
そんなことをすれば、たちまち財務省や日銀から親会社にクレームが付いて、下手をすればクビになりかねない。
金融機関は、財務省が発行する国債の取引や日銀との取引を通じて利益を得ているからだ。 
多くの学者やエコノミストは、財務省と日銀による「隠れた利益誘導」を通じて「彼らのポチ」と化していた。
日本では、そんな歪んだ構造が長く続いていたのである。
この稿続く。

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