見出し画像

労働生産性を上げたいときは何が必要?

社会保険労務士の仕事に、社会保険・雇用保険の取得・喪失などの手続代行があります。現在、手続業務を当事務所へアウトソーシングしているクライアント様は、もともと担当者一人で、取得手続き・喪失手続き等の書類を作成・提出・管理していたので、他の業務が任せられないとのことで上司の方が相談にいらっしゃいました。

アナログ業務をデジタル業務へ移行

現在勤務する事務所に入所した2015年当時は、紙の書類に手書きで入力して年金事務所やハローワークへ提出していました。しかし、当事務所では早くから電子申請を行えるHRテックを導入していき、現在、申請手続きは電子申請で行うのが主流となっています。

2023年6月現在、電子申請を便利にできるHRテックが増えてきて、今では紙の書類での手続きは、電子申請で対応していないものだけになっています。

時短・コスト削減を目的とした業務改善に必要なものは?

例えば、ある月に入社する人が10人、退社する人が10人いた場合、紙の書類作成を一人で担当していた場合、どれくらいの時間がかかりますか。

当事務所で使用しているHRテックには「一括申請」という機能があります。
例えば、入社10人分の資格取得手続きを行う場合、1回の送信で行うことができます。入退社書類があれば、当事務所ではおよそ2時間かからない時間で作業を終わらせることができます。

さらに、電子申請の場合、年金事務所やハローワークへ郵送・窓口提出がありません。切手代や交通費もかからないのでコスト削減にも役立ちます。

「うちは人数少ないから紙の書類でもいい」という企業様でも、手続終了した紙の書類を保管する場所がいっぱいになっていませんか。

電子申請の場合、受理された書類はPDFデータで発行されるため、そのまま印刷することなく手続書類を保存することができます。大量の取得や喪失書類でも整理して保存することができます。

会社規模により電子申請利用率に差があります!

資本金、出資金の額が1億円を超える法人(「特定法人」といいます)は、
2020年4月から、下記手続申請を電子で行うことが義務づけられました。

●社会保険(健康保険・厚生年金保険)は次の3種類
・・・報酬月額算定基礎届
・・・報酬月額変更届
・・・賞与支払届

●雇用保険は次の5種類
・・・被保険者資格取得届
・・・被保険者資格喪失届
・・・被保険者転勤届
・・・高年齢雇用継続給付支給申請
・・・育児休業給付支給申請

厚生労働省パンフレットより引用 https://www.mhlw.go.jp/content/000511981.pdf

ちなみに、社会保険で「資格取得届・資格喪失届」が義務化されていないのは、健康保険組合との兼ね合いと言われています。

日本年金機構「未来戦略室事業企画部」が発表した資料によれば、主要7届(※資格取得届、資格喪失届、算定基礎届、賞与支払届、月額変更届、扶養異動届、国民年金3号届)における電子申請実施率は、令和4年9月で64%です。
これに対して、電子申請が義務化されている特定法人の電子申請利用率は令和4年9月で9割弱です。

労働生産性アップには、業務をIT化できるかがカギ?

規模が大きい企業での電子申請化は進んでいるが、それ以外の規模の会社での電子申請化はまだ6割強という状況なので、業務IT化の伸びしろがあるといえます。

全体の社員数が少なく、入退社の頻度も少ない場合には、電子申請ではなく慣れた紙による申請の方が早いかも知れません。
しかし、業務は入退社手続業務だけではありません。人事労務系の仕事は、
採用、勤怠管理、給与計算、産休・育休対応、就業規則対応など多岐にわたっています。

労働生産性とHRテックの関係は?

労働生産性の計算式はややこしいので、ここでは、こんな感じでイメージしてみてください。
アウトプット(成果物の質)÷インプット(業務にかける時間)

人事労務のお仕事の工程をなるべく減らし、効率のいい業務フローにするように各クラウドが連携を図れるように構築されつつあります。
例えば、ある会社が提供する「給与計算」クラウドは、別会社の「勤怠管理」クラウドを連携させることができ、設定次第で勤怠情報をインポートして、残業代の計算まで終わらせることができます。

このカテゴリーの業務で労働生産性を上げるならば、HRテックを活用するのをオススメします。業務を行う時間を少なくして、成果物の水準を保つ。
ルーティンワークで業務時間を減らした分、より長期的で会社の根幹に関わる業務、~例えば、「人事戦略」や「人材育成」など~に時間を使う。
企業の根幹をなす「人」に関わる仕事をより質を高めていけます。

電子申請導入等をはじめ、お客様の人事労務業務が無駄なくスマートに運用するHRテック活用をご提案するのも、社会保険労務士の仕事の一つとなっています。

今回は、社会保険や雇用保険の手続きにフォーカスした業務IT化の話でした。人事労務系IT化、DX化については別の機会でお話しします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

#人事の仕事

企業の経営者様・担当者さま「今こんなことで困っている」「社会保険等事務のアウトソーシングに興味がある」「ヒトに関する相談をしたい」方は、こちらよりお気軽にご連絡ください。

この記事が参加している募集

人事の仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?