【詩】発熱

流れているだけの冷たい空気にさえ、清潔さを見いださなければいけなくて、そんな風に、世界を感じるしかなかった、これからもずっと、この世界のすべてに綺麗と言って、どれだけ、自分を嫌いにならなければいけないんだろう、と、そういう嘆くみたいな藍色の心象だけが綺麗で、わたしはただそれによりかかるしかない、優しそうな顔で、自分を好きになれ、と言ってくるあなたが、わたしを好きになる必要がないこと、本当は、わたしがわたしを好きになろうとあなたには関係がないこと、なにもかも分からなくて、ただ、あなたの口にする言葉がぜんぶ、わたしの顔の表面を、触れているのかいないのか曖昧な手つきで、そっと撫でていくみたいで、だから叫んでいた、発熱しているってことは生きているってことだ、なんてそんな体温計でも分かること言わないでほしくて、ただ、補完してほしかった、わたし以上にわたしを愛してほしい、発熱して、発火する以上に、わたしを、そこに一緒にあるはずの愛を、証明してほしい、存在証明さえも委ねてしまえるような愛が、わたしはほしかった。

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