赤目四十八瀧心中未遂
車谷長吉「赤目四十八瀧心中未遂」を読み終えた。
東京で会社員をドロップアウトした男が、尼崎のどん詰まりのアパートで、モツを串に刺す仕事をする。
同じアパートの住人や、雇用主の初老の居酒屋の女主人とのやりとりや、主人公の男の心の声が描写される。
そんな中、同じアパートの、背中に刺青の入った女性から「うちを連れて逃げて」と言われ・・・というあらすじ。
ラスト、人によって解釈は別れるだろうが、私には絶望の中、一瞬きらめく一筋の光のように見えた。
特に人にやる気を起こさせるような内容の小説には思えないのだが、この小説を読み終えた後、私はなぜか何か自分もやりたくなり、映画の脚本等を書いたり、今この文章を書いたりしている。
私は昔、プロの映画監督を目指していたが、体調を崩して挫折した経緯があり、それ以来映画の脚本等も書いてはいなかったのだが・・・。
この前、映画の「THE FIRST SLAM DUNK」を見て、何度打ちのめされても、何度でも立ち上がる主人公達を見て、自分もまた何かにチャレンジしたくなってはいたのだが、実際に行動に起こすまでには至っていなかった。
だが今回、「赤目四十八瀧心中未遂」を読んで、映画の脚本を書いたり、このような文章を書いたりした。
人生、何が起こるかは分からない。
37年生きてきた私の実感である。
どんな未来が来るのかは分からないが、その未来に向けて、また一歩ずつ歩んで行こう。
1月3日、明日からまた仕事に臨む男の独り言でした。
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