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堕落してこそ救われる

人間は本来ダメ人間

堕落すると生活できない、と思うだろう。しかし坂口安吾は「我慢するから改善されない」と説く。
ダメさを認めよう。

坂口安吾

第二次世界大戦時代を生きた小説家。無頼派。
学生時代から怠惰。第二次世界大戦の空気に触れた安吾は、戦争を美化する動きに違和感を持っていた。
 彼は堕落論を執筆してから、皮肉にもオファーが殺到して勤勉にならざるを得なかった。当時合法だった覚せい剤を乱用し、奇行に走った。


人間の本質

実際、戦争賛美は創られた風潮だった。同調圧力によるもの。事実戦争が終わった直後、戦争賛美の風潮は、瞬く間に崩壊した。そして戦争が終われば、生き残りも闇市で働くようになり、未亡人も貞操を失った。
現代も価値観さえ変われど、同調圧力を強いている図としては変わらない。

本質が怠惰だから、口うるさく努力や美徳を説く

「一度思い切って堕落しきれば、本当の自分を発見できる」
武士道といった美徳も、人間をコントロールするために創られた幻想。人間の本質は怠惰で美しさからは程遠い。
聖職者も聖人君子も僧侶も偉人も軍人も武士も本質は同じ。人間は美しくない。

堕落は楽なように見えるが、最も辛い。堕落は孤独なので、実は甘えから一番遠い。同調圧力に従うというのは、よく言えば、既存の道を歩めばいいだけなので、そういう視点で見れば楽。孤独になると、道を1から作る必要があるので、とても辛い。堕落は孤独。堕落するには覚悟が必要なのだ。しかし偽りの美しさしかない同調の世の中であるままで、不満は消えない。救われることはなく、死ぬまで文句を垂れ流すことになる。 
 ブラック企業は同調圧力から生まれる。戦時中の神風特攻隊と何が違うのだろうか。実際ブラック企業での過労死は、特攻隊と同じようなもの。敵船に突っ込むか、駅のホームに突っ込むかの違いなだけ。
堕落したいという欲望に忠実でなければ、行動にしなければ、実現することはない。同調圧力にコントロールされるだけの人生に、救われる時は来ない。


参考動画


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