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リアルな怪談

リアルな怪談は面白味が無い。

「〇〇に行って〇〇を見つけて、帰りに〇〇なことがあったんですよ。後日〇〇であることが判明して〜」

という起承転結長々語れるようなことは起こらない。

「家にいたら物が倒れた」

文字通り話にならないが、リアルな怪談なんてそんなもん。
だから心霊現象なのか、勘違いなのか、確信が持てないことはありがち。というかリアルな怪談はそっちの方が多そう。

怪談師の怪談を聞いてるとリアリティが無い。面白いけど。
分かりやすいが理路整然とし過ぎているから。
「その時そいつが『なにやってんの?』って言ったんです。でも僕は『別に何もしてないよ』と返した」____________

過去に自分や他人が言ったことを覚えているだろうか。
上手い怪談師はこれがハッキリしている。細かく覚えているのだ。言っちゃ悪いけど胡散臭い。怪談師本人の体験談ならなおさらだ。
「生きててそんな体験する!?」という感想も抱く。
話すもの全部非現実的だから、怪談師全員虚言癖なのではないかと思ってしまう。

何度も言うがエンタメとしてはマジで楽しい。

本当の怪談

実話怪談というのは、心霊現象なのかどうなのかハッキリしない話。言葉を選ばず言うと、地味。
意識しないと気付かない。
そしてそんな話はYouTubeや心霊番組といった、いわゆる見世物としては本当に不向き。
「家で酒飲んでたらオーブみたいなの見たんだよね〜。でも気のせいかも」
こんなの30秒もかからず話し終わってしまう。つまらない。

本当の怪談は、まさしく真偽のハッキリしない’怪’しい話なのだ。
創作怪談がアダルトビデオやアクション映画なら、実話怪談はハメ撮りやBREAKING DOWNといったところだろう。
僕もBREAKING DOWN話はある。アクション映画話は無い。

人からも話聞くけど、やっぱBREAKING DOWN。
すぐ終わる話。起承転結もあるにはあるけど、詳細がないというか、あっさりしているから文字通り《話にならない》。
「生霊がついてたらしいよ」
「なんか落ちた」
あっさりし過ぎてて、肉付けする要素がない。
日常に溶け込んでいるから、地味なのは当たり前だし、そんな派手な体験をさせるほどの力を持った幽霊と対峙したなら、体験者は呪い殺されてると思うし。

そしてリアルな怪談でありがちなのは、話が下手で全容がよく分からんパターン。
支離滅裂というか、起承転結が入ってこない。
リアルなんだけど、リアルゆえによく分からん。
なんなら起承転結も無い、みたいな。
起承承承承承が承…起……結…、?
みたいな感じ。


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