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【MBTI】自分のタイプに悲観する人たちに言いたいこと

1.はじめに

昨今、国内においてMBTIは急速に広まりつつあり、株式会社アップデイト(otalab)の調査ではZ世代の約6割がMBTIを知っているという調査結果まで出ており、特に若年層の認知度の高さが伺える。

筆者含めnote利用者にもMBTIに関する記事を投稿する人は非常に多く、現在でも増加傾向にある。

例としてnote利用者のうちプロフィールにMBTIにおける16タイプを表す英字4文字を掲載する方は2020年は約158人であったが、2024年は約3230人と約20倍の増加を見せている。
(※2024/02/04 19:00時点の情報)

自己分析や他者理解を行う上でMBTIの有用性を評価する声も多く、今後も更にMBTIの流行が予想される。

しかし利用者の増加と同時に本来の目的からは外れた使い方をしている人たちが多く見受けられる。今回はその中でも「自分のタイプに悲観する人」に焦点を当て、彼らに私なりの解決策を提示する。

2.MBTIに対する個人的見解

私自身もMBTIと出会い自己理解を深めることができた。

今まで漠然と感じていた他者との違いの複雑性を理解し、人間に対する洞察眼を養うとともに、人はそれぞれ固有の情報収集の仕方と意思決定の基準があることを知ることで、ものの見方や判断の下し方の多様性を尊重する意識を醸成することができた。

絶対的な正しさや唯一普遍の「ふつう」はなく、みんなそれぞれが「ふつう」なのである。

勿論タイプだけで人間の全ては語ることができないのは自明の理だが、その限界性を考慮した上で用いるのであれば、人間理解において有用なフレームワークだと考える。

3.自身のタイプに悲観する人たち

私自身MBTIの愛用者としてMBTIの利用者が増えるのは大変喜ばしいことだと思う。
効果的に活用することで進路選択や就職活動に大いに役立つだろう。
しかし残念なことに最近ネット上で診断結果に満足できず、タイプを変えたいと嘆く人々が散見される。
(特にINXPが多い。)

上記のように自分のタイプに自信が持てない背景には複合的な原因があると予想されるが、以下の3種類に大別できる。

(1)自分の性格とタイプの特徴を同一視し、今まで感じてきた「生きづらさ」をタイプに投影している。

(2)診断されたタイプに対するネガティヴ・キャンペーンに踊らされ、自分のタイプに自信を無くした。

(3)タイプを理由に差別・迫害を受けた。

次章ではそれぞれのケースに対して私なりの解決策を提示する。

4.自分のタイプに自信が持てない人々への処方箋


(1)自分の性格とタイプの特徴を同一視し、今まで感じてきた「生きづらさ」をタイプに投影している。


このケースは明らかにMBTIを完全に誤用している。
MBTIはあくまで認知の選好を表す「枠組み」に過ぎず、人の性格全てを表すものでは決してない。

本来人の性格は千差万別であり、所属コミュニティの文化背景や交友関係、ライフステージによって影響を受ける。
基本的な性格傾向に外的要因が積み重なり集積したものが個人の性格なのだ。

故に同じタイプであっても性格は人それぞれであり、個人の抱える生きづらさはタイプによって規定されるものではない。
当然個人の悩みや生きづらさも一人一人異なるのだからタイプを変えようとするのは根本的な問題解決になっていないのだ。

肝心なのはまず問題の所在はタイプの中ではなく、個人の中にあるということを把握することだ。その上で人間関係を断捨離するなり、心を豊かにする趣味を見つけるなり、診療機関に通うなりすればいい。


(2)診断されたタイプに対するネガティヴ・キャンペーンに踊らされ、自分のタイプに自信を無くしている。

特定のタイプに対する悪意ある書き込みは後を絶たない。
これは元はと言えばMBTIに関する投稿を上げるSNSアカウントやWEBページ作成者による偏見を助長するような情報発信の影響が大きいだろう。

株式会社アップデイト(otalab)の調査によれば、MBTIを知ったきっかけの1位は「SNS」、3位は「インターネット」であることから、MBTIの普及においてSNSやインターネットの存在は欠かせない。

ここで発信力のあるインフルエンサーが根拠に欠いた主観に基づく情報を流布することで、情報リテラシーの低いネットユーザーたちがその情報を鵜吞みにし、便乗する。

ネット上では1つの書き込みが何千もの人々の認識を歪める。
そういった認識の歪みが蓄積し特定のタイプに対する虚像を形成し、偏見を再生産している。

つまりネット上の書き込みは主観的なものが殆どであるためネット上のネガティヴ・キャンペーンに耳を貸す必要は全くもってないのだ。

冒頭でも述べたがMBTIにおける16タイプに優劣や貴賤はない。
どのタイプにも特有の強みと弱みがあり、それは一様に単純比較できるものではない。
特定のタイプに対する悪意ある書き込みを見つけた場合、距離を置くことを勧める。


(3)タイプを理由に差別・迫害を受けた。

タイプを公表したことで相手から差別的な態度を取られた、疎まれたたという場合、自分のタイプを恨み別のタイプになりたいと願うのは至極当然のことだろう。

自分が何か迷惑をかけたわけでもないのに、相手が狭量でものを知らないために、差別や迫害を受けたとなれば私も心から同情する。

ただこのようなケースの場合、あなたは100%悪くない。
既に述べたが、タイプ間に優劣などないし、MBTIで人間の全ては語れない。

そんな当たり前のことがわからず、タイプだけで人を判断する人間なんて今後の人間関係に必要だろうか。(いや必要ない。)

あなたがそんな人間のためにタイプを変える必要は全くないし、タイプだけで人をわかった気になるような人物はこちらから願い下げだという強い意志を持ってほしい。

5.まとめ

ここまで「自分のタイプに悲観する人たち」の不満や葛藤に対して私なりの解決方法を書き連ねてきたが、私がこの記事を通して伝えたいのは以下の3点だ。

・それぞれのタイプは特有の強みと弱みを持っており、それらは単純比較できないということ。
・タイプ間に優劣や貴賤、良し悪しはないということ。
・人の性格はタイプだけでは決まらないということ。

これはMBTIに限らずエニアグラムやソシオニクス等にも言えることだ。
それぞれのタイプの個性と魅力を認め、安易に優劣や正誤の判断を下さないことがこういった性格検査の賢明な活用方法であると考える。
MBTIが人間理解における心理学的メソッドとして有意義に用いられることを切に願う。





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