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「僕に悟りはまだはやい。」(詩)

僕に悟りはまだはやい。


一人で、

他人より達観した気分になっていたけど。


一瞥(いちべつ)体験?


言葉を越えた感覚?


僕にはまだ、分からない。


世界は広いことを思い知った。


元々は分離されていない世界。


過去も未来もない。


前者は感覚としては理解できるけど。


後者はなんだか寂しかった。


自分の先に世界があった。


少なくとも僕はそうだ。


狭い世界のその先に自由があった。


ここではない何処かがあった。


僕らは飢えている。


飢えているからこそ、求めてしまう。


愛、愛、愛。


結局はそこに導かれている。


愛すること。


愛されること。


ただ、それだけでしかないと思う。


でも。


脳死でへーこら誰かに従うならば、

本当に愛しているものを守れない。


青い空のその先に広がる自由。


何をしてもよくて。


何もしなくてもいい。


言葉、体験、詩。


得た知恵の先にある選択。


正直と嘘。


その結果、

嫌ってしまうこともあるけど。


他人とぶつかることだってあるけど。


僕はそれこそが。


「人間」だと思っている。


愚かだけど、強くて、鮮やかな。


そんな人間が。


どうしようもなく、大好きなんだ。


「他人も自分も、全ては自由だ。」


「自分が、幸せな未来を切り開くんだ。」


箱庭の中、そう思っている自分には。


悟りなんてまだはやい。


……きっと、まだ遠くの位置にあるのだろう。

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