「再生。」(詩)
感情が生き返る。
生きたいと思う心。
愛する心。
人みたいな感性も全部………
あの時の映像を脳内で再生する。
……そこには、ただ必死な僕がいて。
「愛」を求めていて。
人と話したくて。
傷だらけの身体で走っていた。
あの時と傷は変わらなくて、
結んだ包帯からは血が滲んでいる。
けれど。
見据えて、氷で固めた心が、
熱でほどけて溶けていた。
信頼できる人がいる。
ただ、話して笑い合える。
1人きりも大好きだけど。
人間だから?
人を求めていた。
長い、長い孤独の中で。
僕の事を許してくれた人がいた。
微笑んでくれた人がいた。
好いてくれた人がいた。
「自分の事を理解してくれる人は必ずいる。」
いつか聞いた、大切な言葉を思い出す。
遠く、遠く宙に浮かぶ心。
引き合うように
色んな人に逢う。
自問自答を繰り返して。
僕は、
「自分」を探している。
走って、話して、言葉を並べ替えて。
噛み砕いて、理解して。
(……やっと、気付いたんだ。)
あの、昔みたいに。
誰かと話しては笑っては、
確かに自分を偽らない。
----本当の自分が、そこにはあった。
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