「夜、生きている。」(詩)
……後何度、
蝉の旅立ちを見届けるのだろうか。
ふと思い付くフレーズ。
旅は続いていて。
灯りを目指して夜を歩く。
仕事終わりの人々に溢れる。
遠退く。
落ち着く。
足音が落ちる。
夜の香り。
鳥や虫のセカイ。
僕らのセカイ。
スケールは違えど、
僕らは同じ風を受けて。
生きている。
目を瞑る。
言葉が溢れる。
微笑んで。
誰かの記憶。
幸せだった、かつての記憶。
今の記憶と混濁する。
反射した光が僕を照らす。
たった一人の冒険。
誰かとの冒険。
千差万別、飛んでいく。
跳ねていく。
歩いていく。
全力疾走、見えなくなる。
例え。
暗いセカイが、
目の前を塞いでも。
この目に映る
景色は、光は。
誰の道をも照らす、僅かな確率。
ふと紡がれるフレーズ。
心は暖まって。
「……やっぱり、まだ旅は続いている。」
自覚して、嬉しくなった
想い。
----どうか、忘ないように。
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