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sakaisoujyu1225
「青空」(詩)
お昼休みに
窓から外を見た。
外は綺麗な青空で包まれていて。
不満なんてなかったのに。
中は何かに支配されてる気がした。
狭い世界から金糸雀が旅立った。
青空へ旅立った。
きっかけを掴んだ悲しみ。
苦しくなって
支配に気付いた今に耐えられなかった。
苦しくてもよかった。
寄りかかる術がなくてもよかった。
外に出ることすら
確かに少しだけ怖いけど。
この中じゃ
幸せにはなれない。
確証めいた揺らぎ。
切り替えた自分。
深呼吸をして
僕は歩きだした。
[EXIT]
扉を開けて
白い光が輝く。
囚われた廃墟を外から覗けば
存外に劣悪だ。
出ようと決意したその時から
僕は空っぽに清々しかった。
やっと捨てられた何かが
肩から降りていく。
何もなくなって
夢だけが残る。
持ち出した詩集を抱きしめる。
何もなくなったけど
僕のこころには文字が残っていた。
青空の下
草の中で。
透き通る気持ちのいい風の下で。
眠って、起きて
目を開ける。
眠る丘の上で
果てしない旅路と街を見た。
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