「切り分けた、綿毛のような。」(詩)
ふわり、綿毛が飛ぶ。
死の間際
切り分けた魂が空を舞う。
死なない意思として飛んでいく。
「好き」の気持ちと弱い心。
いつの日からか貫けなくなっていた。
何故かずっと、苦しかった。
だからせめて、
この感情を終わらせて。
(……きっと、覚悟は既に出来ている。)
頬に伝う雨。
纏わり付いて、重くなっていく体躯。
もう、戻れなくても。
どこまでも素直だった自分を。
間違った自分を。
きっと、責めちゃいけないんだ。
自己嫌悪で、苦しくなるだけだ。
己の弱さが心を穿つ。
(……何度謝れば、僕の気は済むのだろう。)
寝っ転がって、泣いていた。
左目から、未来が溢れて。
ふわり、身体が浮かんでいく。
生まれ変わる時、
魂は忘れてしまうだろう。
あの日、あの時の感情を。
失って。失って。
どこかでまた、芽吹いてしまって。
例え今が。
バラバラでも。ボロボロでも。
それでも、きっと……
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