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『傘の下で』

「落ち込んでるみたいだから一緒に帰るよ」

彼の言葉をまさかと疑った。
だけど、私の身支度が終わるのを傍らでさりげなく待ち、一緒にフロアを出た。

外は雨。
傘を差して並んで歩く。

「あまり気にすることはないから」
雨音に混じる優しい彼の声に泣きそうになる。

ずっとこのまま雨が降り続けばいいのに。

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