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#自由詩

救い

『救い』 時に流され もがく手は 空振りばかりで 泣いても 叫んでも 誰にも 届かない そんな絶望の縁で 浮かんだ 母の顔 優しく微笑んでいた

ふゆのはるのおわる

どこかが燃えているみたいだ。香りのしなくなった金木犀がコンクリートを鮮やかにして、私の冬の春がちる。人々が縮こまり震えていて、あなたのなかの熱にふれる。どこかで石油ストーブが燃える。あなたの心臓ももえる。手足がこおりつくみたいだとはいうものの、実際問題こおりついている。わたしの心はずいぶん先に走っていくのに身体だけいつも置き去りになるね。たぶん、きっとあの道の先でだれかが瞬きをする間にまた春がきて、きづけばピンク色の花びらがコンクリートを消し去って、私の春の冬がちる。子どもが

オルゴール

他の箱が奏でる音と調和するような音を そのとき私は奏でているのです 箱を開いて聞こえてくる音。 さあこのメロディー アップテンポで煌びやかに聞こえるでしょう 偶然近くで聞こえる波長にあうように音は出るので 違う箱の近くにいるときに聞こえた重低音 しっとりとしたハーモニーを奏でているのも 同じ箱だと、信じてもらえないかもしれないけど このオルゴールはいろんな音が出せるの でも、オルゴールはぜんまいが切れるともう音が出なくなっちゃうから そういう時は自分でそ

オルゴール

ネジが巻かれた 時間だけ 寂しくて 儚いメロディーが流れる 忘れたはずの あなたの幻影が ノクターンの旋律に乗って 現れる あなたがくれた オルゴールは 時々 音が止まる まるであの頃の 2人みたいだね 感情の行き違いで ケンカもしたし 泣いたりもした 私はまだ オルゴールが捨てられない もう 壊れているはずなのに 街中で ノクターンを聴くと 連動して あなたを思い出す たぶん これからもずっと あなたがくれた オルゴールは 時々 ティンと鳴る

メロディー

懐かしい曲が 街の中で聴こえる 歌手よりも 曲が好きだった君を思い出す 君があまりにも聴くから いつの間にか 私も覚えていたっけ あの時は 悲しい歌詞も 他人事だったのに 今では少し意味がわかるようになった 君の街でこの曲が聴こえてきたら 君は誰を思い出すのかな

人に伝えたくないこともある

映えるとかバズるとかフォロワー数とか、やたら発信、共有、手をつなごうという風潮。 良い面はたくさんある。気軽に自分の思いが発信できる。共有できる。今まで伝えられなかった過程や思いが届いたり届けたりして新鮮。 機器の発達はすごい。そしてそれでビジネスするというのも、自己承認するというのもちょっと前までは考えられなかった。 反面、何故思いを自分の中に留めておいてはいけないのかという気になる。何もかも伝えなくてはならないのかという気にもなる。 思いは伝えるためにあるのではな

おかあさん

「おかあさんはなにがほしい?」 「あなたがげんきでいてくれればじゅうぶんよ」 「おかあさんはなにがほしい?」 「あなたがけんこうでいてくれればじゅうぶんよ」 「おかあさんはなにがほしい?」 「あなたがぶじでいてくれればじゅうぶんよ」 いつだっておかあさんはじぶんのことよりぼくのことをゆうせんしてくれた びょうきになってしゅじゅつをしてたいいんしてかえってきてもすぐにかじをしてくれた けがをしてもぐあいがわるくてもまいにちまいにちごはんをつくってくれた そんな

ピアノの小さな夜

うたをうたう 寂しい昨日を流すため 私の体は空箱で 入れたいもので埋められる だから今夜は夜想曲(ノクターン) うたをうたう 無くした今日を探すため 私のハープは生きていて 主人の心に寄り添うの だから今夜は狂詩曲(ラプソディ) うたをうたう 生まれる明日を祝うため 私の声よ風となり 天と地とを越えていけ だから今夜は幻想曲(ファンタジア) 論舞曲(ロンド)、練習曲(エチュード)、狂想曲(カプリッチョ) 奏鳴曲(ソナタ)、それから鎮魂歌(レクイエム) そのどれもが私、ど

おはよう、おやすみ ただの挨拶じゃないんだよ 挨拶は相手のことを思った愛情表現なんだよ

言葉遊び10(1〜9まとめ)

アルペジオ 意味のある音のかたまりを うつくしくないと言ったのは僕 笑顔で泣く僕にピアノを弾く君がいた 音楽室の放課後 かたちが曖昧なんだ 君と僕の関係は くずしたくない、でももっと 結局いつも繰り返し 怖いんだ、僕は サイダーをゴクリ 視線を感じ振り返った僕に 「涼しくなりそう」といった君はピアノの前に座る 背中越しに聴こえてきた明るい音 ソナチネ14番 僕が好きだといった曲 たこ焼き、焼きそば、笑い声 ちょっと楽しい文化祭 つかまった僕の手にのせられたライブチケット

言葉遊び9

ライブ当日 僕が吐きそう リズミカルな君のピアノ バイオリンの音 ルージュはいつもより濃いめ レモンイエローの服は華やか ロビーで待つ僕は…ほっとしてる

言葉遊び8

柔らかい音 君のピアノがバーに響いた ゆるりと座り僕はキョロキョロ よこに来た君は 僕のよく知る君だった

言葉遊び7

また季節は巡る 今日は卒業式 みんないなくなった教室に君と2人 向かう先は音楽室 目の前で君がピアノを奏でる もっとピアノを弾く君を見ていたい そう思った

言葉遊び6

はぁと吐く息が白い ひとりで歩く道 手には小さな花束 ふと見ればスマホを見る君の姿 平常心 平常心 ドキドキを隠して ほんの少しの勇気を 今日はバレンタインだから