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読書レポ|YOUR TIME

副題「4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術」

ついに究極の時間術が見つかったのか!
と期待して本を開くと、“はじめに”に衝撃の結論が書かれていた。

万人にとって有効な時間術は存在しない。
人それぞれの時間の捉え方(未来に対する予期、過去に対する想起)によって、有効な手段は異なる。

YOUR TIME ユア・タイム: 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術 /鈴木祐

終章では、時間術によって完璧に時間を使いこなすことを目指すより、“ぼどほどの答えで満ち足りる”方が、時間(人生)の満足度は高まる、とまとめる。

限られた時間の中で、どれだけ効率や生産性を高めるかという命題自体を疑い、しあわせに満足いく人生を送るには、効率や生産性を手放すことも必要だということを説く。

とはいえ農耕時代のように、日が出たら働き、夕暮れとともに眠る生活に戻ることを推奨しているわけではない。
人生の満足度を高めるために効果的な時間術を、時間の捉え方のタイプ別に詳細に紹介している。

自分にとって効果的な時間管理術が誰にとっても有効だとは限らないと知れてよかった。
自身に合う時間術だけでなく、マネジャーとしてメンバーが時間を有効に活用できるようになるにはどうしたら良いのか、方法は人それぞれ違うということも、理解することができた。

しかし、それとて万能ではない。と本書は締めくくる。
時間に対する捉え方のタイプを正確に分類できるわけではないので、いろいろ試してみて、その人に合った方法を選べば良いと。

時間は機械的にまっすぐ進むものだとばかり思っていたが、主観(捉え方)によって変わる“概念”だという本書の考えは、時間に対する向き合い方を考えるきっかけを与えてくれた。


めでたしめでたし

立崎直樹

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