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<初級編>人材募集広告の書き方

人材募集広告を出してもなかなかいい人が集まらない。とお悩みの方に向けて効果的な人材募集広告の書き方についてのお話です。介護事業所・高齢者施設の人材募集を軸にしてますが、他業種の方にも参考になると思います。


「ターゲットとなる人物像を設定する」その前に

採用について少し勉強している人は「ターゲットとなる人物像を具体的に設定して、その人にだけ届くメッセージを募集要項に書こう」という話を本やセミナーで学んだことがあると思います。広くみんなに向けたメッセージは結局誰にも刺さりません。具体的にターゲットを絞ることで、「これは私のことだ」と思った人に深く刺さり応募につながります。

たとえば、「40代後半で子どもが大学に進学し、時間にゆとりができた主婦。将来のためにと介護職員初任者研修を受講した」というような人物設定です。

募集広告には人物設定に合わせて「子どもが高校を卒業して自分の時間ができたあなたへ。親の介護に備えてとった資格を生かして、初めての介護の仕事にチャレンジしませんか。」と書きます。

このように具体的にターゲット設定したメッセージを書いた方が、ただ「未経験者可」と書くよりも多くの反応を得られます。


ターゲットの人物設定は確かに効果があるのですが、これは応募数を増やすためのテクニック(技術)です。

テクニックだけでは本当に来てほしい人物は集まりません。


本当に来てほしいのは「子育ての終わった介護職未経験の主婦」ですか?

なぜ、こういう人物設定にしたのでしょうか。

もしかして「一番多く集まる層」を狙っていませんか?

「どんな人でもいいからとにかく大量採用したい」のならばこの設定で正解です。ただし、この採用基準で採用していいのは、どんな人でも・何人来ても自社のサービス基準に見合う人材に育成できる会社だけです。


「本当に入社してほしい人」を設定することから採用活動は始まります。

介護系の資格を持っていたら誰でもいいですか?

実務経験があれば誰でもいいですか?

夜勤ができれば誰でもいいですか?


きっと、「いや、それだけじゃなくて……」と考えたと思います。

入社してほしい人の設定とは「……」の部分を明らかにする作業です。

管理職が一人で考えることではありません。チームのみんなで話し合ってみるのも面白いです。

この段階からチームのメンバーを巻き込むと、今まで他人事だった採用活動が”私たちの”自分事になります。


入社してほしい人物の設定をしていると、色々出てくる中で「私たちの法人(事業所)の理念に共感する人」というキーワードが出てきます。

一緒に働く以上は、みんなで同じ目的に向かって仕事したいと思います。


これだけは求人募集に忘れずに書く

今も毎週日曜日には求人広告が新聞に折り込まれて各家庭に配布されます。

紙の広告が続いているのはニーズがあるからだと思いますが、求人広告媒体の主流は完全にWebに移行しています。

紙媒体と比較してWeb媒体は文字数の制限が緩いため、伝えたいことをたっぷりと書くことができます。

そこで、Web媒体の広告に必ず書いたほうがいいことがあります。

それは、法人(事業所)の理念やビジョンです。

求める人物像として「理念に共感する人」と定義したのなら、求人広告でその理念を伝えて「一緒にこの理念を追求する人に応募してほしい」と書いた方がいいと思います。

そんなふうに限定したら、応募人数が減ってしまうのでは?と思ったかもしれません。

良いんです。応募人数が減っても。

理念に共感できない人が応募してきても面接で不採用になるか、採用してもチームになじめず早期退職する可能性が高い。だったら応募の段階でふるいにかけた方がいいのです。

面接する人も応募した人も、「なんか違うな」ってなったらお互いに時間の無駄じゃないですか。

だったら応募人数は若干減ってしまうかもしれないけど、最初から入社してほしい人材要件を明確にすることは、法人にも求職者にも優しいと思いませんか。


実験したわけではないので正確な比較ではありませんが、僕の実感としてはビジョンを明確に書いても応募人数は減りません。

むしろ志望動機として「理念に共感して応募しました」という人が増える印象です。


最後に理念を求人募集に書くときの注意点をひとつ

会社の理念は抽象的なことば、あるいは単語で書かれていることが多いです。入社時研修で説明を受ければ「ほぅ、なるほど~」となりますが、求人広告は文字だけで伝えなければなりません。

求人広告に書く際には、抽象的な理念をビジョン(具体像)に変換して、はじめて読んだ人にもイメージしやすい平易な文章に書きなおしたほうがいいと思います。


あなたの事業所でも、よい採用活動ができますように。

めでたし〃



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立崎直樹 

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