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重要な課題を優先するリーダーの思考法

昨日は、人材育成のための時間は優先順位を変えてでも確保した方が良いよ、という記事を書きました。今日は「優先順位を変えた時にリーダーが判断すべきこと」について書いていきます。

優先順位を変えたのに、結局全てが中途半端になってしまったというリーダーの参考になると思います。


優先順位を見直すとは

人材不足で研修の時間が確保できないから研修をしていない。優先順位を見直して、まず人材育成の時間を確保しよう。そう決意したあなたは、研修の計画をカレンダーに入れていきます。(学んだことをすぐに実行する人、最高です!)

ところが、ここで問題にぶつかります。

「カレンダーに余白がないから研修を組めない」

このとき「来月スケジュールに余裕ができたら、真っ先に研修を入れよう」と考えても優先順位を上げたことにはなりません。(余裕ができた時の優先順位が、ほんのわずかに上がってはいるけど)

優先順位を上げるとは、他の何かの優先順位を下げるということです。優先順位は、絶対的な重要度ではなく相対的な重要度。だから、何かの優先順位を上げるときには、他のどの項目の優先順位を下げるか考えます

リーダーとしては、優先度を上げることより、優先度を下げる決断の方が難しいんです。今まで大切にしてきたことをやめる、または縮小するわけなので、それはそれは苦しい決断です。

少しでもその苦しい気持ちを和らげるためには、優先順位を下げたとしても絶対的な重要度は変わらず、相対的な重要度だけが変化するということを覚えておくといいかもれません。


何かをやめる、あるいは縮小するときには、メンバーに対する説明が重要です。そこで十分な説明がないとメンバーに「リーダーの思いつき」だと思われ、期待していた成果を上げることができなくなります。逆にメンバーがリーダーの決断の背景を理解すると、とても協力的に動いてくれることがあります。


昔、時間を確保できずに研修を開けなかった時期に、僕はこんな風にお願いしました。

「人材育成を止めたらチームが弱体化して、ますます運営が苦しくなる。時間を作り出すのが難しいことは理解しているが、何とか研修時間だけは確保してほしい。残業時間抑制という指示も出しているが、研修のための残業や休日出勤は構わない。スタッフのみんなが学ぶ機会をつくってほしい」


リーダーの決断の半分は、何かを「する」決断。

もう半分は、何かを「やめる」決断。


長く管理職としてマネジメントをしてきた僕にとっても、やめる決断は辛いものです。そんな自分を鼓舞するつもりで、皆さんと共有しました。


立崎直樹


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