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読書レポ|駆け出しマネジャーの成長論 中原淳

2024年最初に読んだ1冊は、2014年に刊行された『駆け出しマネジャーの成長論』に、残業に関する章を追加した増補版(2021年)

『増補版 駆け出しマネジャーの成長論-7つの挑戦課題を「科学」する』

自己啓発書に類する本は、原則を扱うために、内容が古くならないという特徴がありますが、ビジネス書に類するものはその時代の最新の課題をテーマに扱うため、その多くは10年も経つと、現代のビジネスシーンにおいて実践では使えないことがよくあります。
しかし、この本は違いました。

初版から10年経った今も、この本に書かれているマネジメントの課題は、そのまま積み残っています。業種によっては、すでに解消している課題もあるのかもしれませんが、少なくとも介護現場ではよくある課題ばかりでした。

本では、マネジャーの役割やマネジャーを取り巻く環境を述べたうえで、実際に現代のマネジャーが直面する7つの挑戦課題とその解決方法を紹介しています。

著者の中原淳氏はリーダーシップ開発・研究の第一人者です。この本は、自身が大学内でマネジャーへとレーンチェンジをしたタイミングでの執筆であることもあって、科学的に分析した理論だけでなく、実践的な内容になっているのが特徴です。

本書で紹介される「マネジャーが直面する7つの課題」ついては、科学的に整理しつつ、複雑さやあいまいさがあるために、絶対的な正解があるわけではないことを前提に、解決のためのアプローチが提示されています。

理論と実戦があるので、新任マネジャーが自らの学びのために活用するのはもちろんのこと、マネジャー育成をするマネジャーや人事担当者にとっても非常に有益な本だと思いました。

僕もマネジメント人材の育成・支援に携わる者として、今後の仕事のアウトラインを描くうえで、直接的に参考となるありがたい本となりました。


タイトル画像の
「Reading brings us unknown friends」
(読書は私たちに未知の友人をもたらす)
は、フランスの小説家、オノレ・ド・バルザックのことばです。


めでたしめでたし

立崎直樹


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