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中間管理職のための上司理解力の高め方

上司のことや組織の目標や方針について、自分はしっかり理解している、と思っていませんか?
もしそうなら、それは危険な思い込みかもしれません。

なぜなら、上司や組織の思考や方針は、常に変化し、複雑で、多面的であるからです。自分が理解していると思っていることが、実は表面的で、不十分で、時代遅れである可能性があります。
その結果、上司や組織とのコミュニケーションがうまくいかず、信頼関係が損なわれたり、業績が低下したりするおそれがあります。

無知の知

では、中間管理職はどうすれば、上司や組織の目標や方針について、より深く、正確に、柔軟に理解できるでしょうか?
そのためには、まず、自分が無知であることを自覚することが大切です。
無知の知とは、自分が知らないことや分からないことを認めること。無知の知を持つことで、自分の知識や経験に固執せず、上司や組織の視点や背景を探求しようとする姿勢が生まれます。
そして、その姿勢が、上司や組織の目標や方針について、新たな発見や気づきをもたらします。

無知を知る方法

自分がわかった気になっているうちは、本気で上司を理解しようとは思えません。
無知の知を自覚するのは思っているより難しいものです。
無知の知を自覚するためには、自己や他者への問いかけが有効です。

たとえば、上司が「売上10%アップ」という目標を示したとします。
数字で示される定量的な目標なので、誤解しようがないと思うかもしれません。

本当に間違いようがないでしょうか。確かめるために自分に問いかけてみます。

・10%アップとは、年間の売上ですか?それとも月間の売上ですか?
・いつ時点(起点)の売上といつ(終点)の売上の比較ですか?
・売上を上げる方法に制約はありますか?
・10%アップにともなう利益額はいくらを見込んでいますか?
・これらの質問に対する答えは、上司が考えていることと一致していると言いきれますか?

自問して答えに窮する問いは、無知の部分です。
無知に気づけたらラッキー。自分が何を知らなかったかを知るのことが大切なのです。

自身への問いかけ以外にも、一緒に上司の話を聞いた立場が同じ他の管理職に、先ほどのような質問をして確かめ合うことも有効です。
もし両者の答えが分かれた場合には、それが無知なことでしょう。

理解するための努力を続ける

すべてを理解することはできないことは、わかりました。だからといって、理解することを諦めるわけではありません。
いつも分からないことがあるという前提で、理解しようとし続ける姿勢が大切です。
次に、理解しようとする姿勢を持ち続けるための方法を紹介します。

■積極的に質問する
上司や組織の目標や方針について、自分が分からないことや疑問に思うことがあれば、恐れずに質問します。
分からないことを直接聞くことで、上司や組織の考え方や根拠を明らかにすることができます。
また、質問するという行為自体が、上司や組織に対し、関心や敬意を示すことになります。
質問するときは、批判的や否定的な態度ではなく、好奇心や学びたいという態度で行います。

■多方面から情報収集する
上司や組織の目標や方針について、自分の知っていることや聞いたことだけに頼らず、さまざまな角度から情報収集しましょう。
例えば、上司の上司や、同じ上司をもつ他部署の同僚、時には自分の部下など、多角的に情報収集することで、上司や組織の目標や方針について、より広く、深く、客観的に理解することができます。

■振り返りとフィードバックを繰り返す
上司や組織の目標や方針について、自分が理解したことや行動したことの結果や効果を、常に振り返ります。
振り返ることで、自分の理解や行動について、改善すべき点や課題を見つけることができます。
また、一人でおこなう内省だけでなく、上司からのフィードバックも積極的に求めます。
フィードバックを受けることで、自分の理解や行動について、上司や組織の評価や期待を知ることができます。
振り返りとフィードバックを繰り返すことで、上司や組織の目標や方針について、より正確に、適切に、効果的に理解することができます。

中間管理職は、無知の知を自覚して、上司や組織の目標や方針について、理解しようとする姿勢を持ち続けることが重要です。
その姿勢が、上司や組織との信頼関係を築き、業績を向上させることにつながります。ぜひ、この記事を参考にして、上司理解力を高めてください。


めでたしめでたし

立崎直樹

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