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『穏やかな死に医療はいらない』

今回読んだのは、
『穏やかな死に医療はいらない』 萬田緑平さん 

医師による「穏やかな死に医療はいらない」という言葉はとても重い。
多くの医師は死に抗うために医療で闘う。しかし最終的には100%医療は負けて死が勝つ。
医師でなくても自明の真理にも関わらず、私たちは「治療をすれば長く生きられる」「治療をやめたら命が短くなる」と信じている。

著者はこう記している
“でも、ほとんどの医師は「治療をやめたらどうなるのか」なんて知らないのです”

もし病院で治療をやめたら、患者が病院にいる意味がなくなってしまう。と同時に医師もいらなくなってしまう。
つまり医師は治療をするから医師なのであって、治療をやめた後のことを知ろうとする医師が少ないことは充分に理解できる。

著者は外科医からガン患者を診る緩和医療へと転身し、医療や死に対する考え方、捉え方が大きく変わったという。
死に抗うのではなく、穏やかな死を迎えるための医療を目指す。

「どう死ぬか?」という問いは、「死ぬまでどう生きるか?」と同義だと私は考えている。
最期までよりよく生きるための医療との付き合い方がたくさん詰まった良書だった。
多くの人に手に取ってもらいたい。


めでたしめでたし


立崎直樹

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