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レモンバブルでがっちり!の企業から学ぶ介護事業者の戦術について

僕が思考を整理するためのnoteです。今現在どんなことに関心を持ち、どんな風に考えてるのか興味があるかなりマニアな人向けの記事ですのご注意ください。思考途中の内容なので、もしかしたら明日には全く違うことを言い出すかもしれません。

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「レモンバブル」が起きているらしい

日曜の朝に放送しているTBSの「がっちりマンデー」が好きなんです。表からではわからない企業の裏側を紹介してくれるので、バラエティでありながらとても気づきの多い番組です。この時間にテレビを観られるときには、ほぼ確実に観ています。


今回のテーマは「沸騰!レモンバブル」

今、レモンが熱いらしい。確かにお店でレモン関連商品を見かけることが多くなった気がします。

番組では3つの事例が紹介されていました。面白そうだったのでメモを取りながら放送を観て、僕なりに考えてみました。


①コカ・コーラ「檸檬堂」 大企業の戦略~5種類のレモンサワー

昨年からやたらと目にする紺色の缶チューハイ。コカ・コーラが発売した初めてのアルコール飲料です。中身はレモンサワーなのですが、これがめっちゃ売れているらしい。

僕はお酒を全く飲まないので知らなかったのですが、アルコール度数やレモン果汁の濃度、風味の異なるレモンサワーが5種類もあるそうです。開発者はレモンサワーを酔っぱらわないようにしながら飲みまくって研究したそう。本気でいいものを作ろうとする人の情熱はすごいです。

たしかにレモンサワーはどこのメーカーでも発売しているけど、ひとそれぞれ好みがあります。どれが一番というより、その人にとってどれが好きかというレベルです。だったらはじめから5種類のラインナップで販売しちゃえ、そしたらどれかにマッチするだろう。という作戦。

アルコール飲料は初めてとはいえ、大きな企業だからこそ可能な戦略です。

大きな企業は多品種大量販売で市場を獲得するのが定石。一方、小さな企業は一点突破で競争相手の少ないニッチな市場を獲りに行くのが定石です。たとえばパパイヤサワーに特化して一点勝負を仕掛ける。おそらく競争相手はほとんどいないし、大企業もわざわざ製造ラインを新しく作るほどの市場はないと見込んで参入してこない。レモンサワーに比べたら市場は小さいけど当たれば当面は一人勝ちできるという作戦。

また5種類展開について、経済アナリストの森永さんがとても興味深いコメントをされていました。

「最初から5種類で展開することで、コンビニの棚を占拠できるんですよ」

たしかに!!コンビニの冷蔵ケースは種類ごとに並べられています。もし1種類だったらケースには1列、多くても2列でしょう。ところが初めから5種類もあるので、必然的に5列確保することになる。すると面積が広がって、「これはなんだ?」とお客さんの目に留まりやすくなる。

うまいですね。清涼飲料でコンビニやスーパーでのマーケティングを知り尽くしているコカ・コーラならではの戦略だと思いました。

先ほど書いたように、小さな会社では最初から多種類戦略は取れません。つまり真似できない戦略で一気に攻勢をかけるまさに王者の戦法です。

介護事業では、大きな資本を持つ企業と個人事業に近い小さな法人が同じ市場でサービスを提供しています。大きな企業では消耗品を法人単位で購入することによって単価を下げ、その分で職員の待遇を浴したり、入居費用を下げたりできます。一方で小さな法人では、古民家を改修した建物を丁寧にメンテナンスしながら使うという突破法があります。(大企業も古民家を買い上げることはできるけど、メンテナンスは1軒1軒に合わせて行わなければならないから複数拠点をもつメリットがない)

大きな企業には大きな企業の戦略、小さな企業には小さな企業の戦略があります。コカ・コーラの戦略を資本の少ないスタートアップ企業が真似しても決してうまくはいきません。 


②瀬戸内レモン バブルの上手な乗り方とその先

3つの事例の中でこの「瀬戸内レモン」が最も面白く、様々なビジネスの参考になると思いました。

瀬戸内レモンとは生産量日本一の広島県で栽培されるレモンのことです。まずネーミングがいいです。「広島レモン」より「瀬戸内レモン」の方がしっくりきます。ネーミングのプロではないので、なぜ良いのか誰か解説お願いします。

僕が関心を持ったのは、「バブルの乗り方」です。

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