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[詩]夏の夕暮れ

夏の夕暮れ  僕の言葉を

君はひとつひとつ  聞いている

もう 幼い君じゃないんだね


大きな物語も 小さな物語も

終わりがあること

耳をふさいで うつむいていても

佇んでいるだけで 何かがわかるときが来る


夏の夕暮れ  君の横顔

澄んだ瞳  あの日の横顔

なつかしい日々  遠ざかる日々

そして 次の夏へ


大きな物語も 小さな物語も

終わりがあること

好きな人を  別れた人を 

佇んでいるだけで  その人を感じるときが来る


夏の夕暮れ  長い影が

声を出さずに  消えてゆく

なつかしい日々  遠ざかる日々

そして 次の夏へ




☆☆ミニ作品解説とおしゃべり☆☆

この詞はある若手の俳優さんのお芝居を久しぶりに見た時に、以前よりお芝居がうまくなっていて(上から目線すみません)感動したんですけど、この俳優さんの不器用ながらも伝わってくる一生懸命さが好きだったので少し寂しく感じた、ということがあったことから生まれたんですが、いつまでも幼いと思っていた子がいつのまにか大人になっていた…ということを知ってたくましく感じるんだけど、少し寂しくもなったなんていうそんな感覚。きっとみなさんにも…ありますよね。

そして寂しいけれど今日の夕暮れは今日だけ。明日にはまた明日の夕暮れがやって来ます。もちろん今年の夏が終わればまた次の夏がやって来ます。




こちらの作品はstand.fm「松本アニー★続・詩の朗読ラジオ」で朗読しています。よろしければ声でも作品を聴いて見て下さいね。



©︎ 2021 松本アニー


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