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【エッセイ(ミニ)】映画に観るもの ~「陰陽師」より~

連休の夜は、やはり映画やドラマの一気見ですね。

野村萬斎さん主演の
映画「陰陽師」を観ていました。

初上映の2001年には劇場に6回ほど足を運びました(!)
ストーリーもセリフもほぼほぼ暗記しているのに笑、やはり見入ってしまいました…。


主演の野村萬斎さんへの出演依頼は
原作(小説)の夢枕獏先生のお申し出だったとか。

たくさんの役者さんが安倍晴明を演じていますが
やはり萬斎さんの安倍晴明は他の誰より安倍晴明だと思います(私は)。
(シャーロックホームズを演じたらジェレミーブレット、というように)

狂言の所作を取り入れること、そして奇妙で不可解、性別を超えた色気が
滝田洋二郎監督によって引き出され野村萬斎版、安倍晴明は
世界にも通ずるキャラクターになったと思います。

そしてもちろん、晴明と敵対する「道尊」役の真田広之さんの素晴らしさは
言うまでもありませんが(他にも、小泉今日子さん、夏川結衣さん、など豪華俳優陣の皆さんが出演されています)、

晴明の式神「蜜虫」に今井絵里子さん、
さらに冷静沈着で『人間』に興味がない晴明の心を突き動かす「源博雅」に伊藤英明さんというキャスティングでしたが
2001年の当時、特に伊藤さんは初心者的な演技?に見えたのですが(上から失礼)、

20年過ぎて
20の歳を重ねた今の私が観ると
伊藤さんの立姿、走る姿は源博雅にマッチしていて
心優しくどこかオドオドした振る舞いや発声が自信満々な安倍晴明とは、より真逆に見えて見事なバランスだと思いました。

※ちなみに2003年の「陰陽師Ⅱ」での伊藤さんの「源博雅」は晴明に引けを取らない見事な相棒になっていました(もっと上からで失礼)。


映画は「娯楽」であり「記録」なんですね。

そして時を超えて観ると、さらに魅力が増すものだと思います。

封切り当時の撮影技術、スクリーンに残る俳優たちのお芝居と脚本(物語)、その作品を観ている私たちの日々も一緒に記録されて

やがて何年も過ぎてその作品と、それらたくさんの記録を観るときを迎えます。繰り返し何度も観るたびに私たちの中にまた新たな時間が記録されてゆくのかもしれません。


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