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【エッセイ】その一口

20代の頃
当時勤めていた職場で
お客様から差し入れがあった時のこと。

いただいたのはどら焼き。
コーヒータイムを兼ねてオフィスのみんなで食べましょう〜となりました。
早速、私も美味しそうなどら焼きを一口。

すると隣にいた先輩が
「お菓子とかハンバーガーを食べる時、自分の母親はいつも『はじめの一口は2回に分けて食べなさい』って言ってたんだよね」
と話しました。
その理由は
「1回だと、食べたあとに歯形がついてしまって見た目が綺麗ではないからと教えられた」
とのことでした。

スイーツやお料理をいただいた後、またはいただいている最中にそれが綺麗に見えるように扱う…というこの話に私は素直に納得、

以来それはずっと私の中に残っていて
お菓子などを手に持って食べるときには食べ始めは二口で…というのが癖になりました。

後に調べたらアフタヌーンティーなど確かに食事のマナーとして「歯形」を残さないのが望ましいとあるよう。
先ほどの先輩のお母さんのように食べ方の躾を考えると
食事のシーンはその人自身の育ちや普段の暮らしを垣間見るものになるなとつくづく思います。

テレビを見ていてもこの
「一口問題」(大袈裟)を意識すると
わりと多い確率で食レポされている方や芸能人などたとえば和菓子、おにぎりなど、
三日月のような歯形後を見せて食べている方がいます…。あまり画面上で綺麗には映らないかもですね。気にならない方は気にならないと思いますけれど。

が、
しかし!

先日、テレビを見ていたらこの「一口問題」をクリアして(大袈裟2回目)
ついに
二口で食べている方がいました。

それはタレントのDAIGOさん。

お昼の料理番組で巻き寿司を作り、それを手にしてはじめ二口で、それから残りを食べていました。ご覧になった方も多いと思います。
イケメンだけでなくDAIGOさんの育ちの良さをあらためて見た感じでした。
何気ない仕草ですがテレビの絵的にも綺麗だと思いました。

最近のバラエティ番組の食レポシーンでは
ほぼ
「美味え〜」
「何これ〜」
というワードしか聞きませんが

先日、大阪の芸人さんが番組で
お料理を食べるたびに
「美味しいです」
「美味しいですね」
と話していて
テレビのバラエティで、「美味しい」という言葉を久しぶりに聞いた感じがしました。

たかが一口
されど一口。

いずれにしても
マナー、エチケットと固くなるより食事は不快にならず、楽しむのが良いですね。

親しい人同士でも
ひとりでも。


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※814付一部修正しました。

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