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【エッセイ】10年前の浅草で
東京スカイツリーが今年で開業10周年とのこと。記念グッズも販売されるとか。
そのスカイツリーが開業する1か月ほど前、浅草にでかけました。実はちゃんと浅草を訪れたのもその時が始めてでした。
仲見世商店街をじっくり見て、萩本欽一さんのパネル写真?を絶対に撮りたいと思っていたら
雷門周辺にいた人力車ガイドの青年に
「観光ですか?どこか見たいところがありますか?」
と声をかけられたので
「商店街をたくさん見たいんですけどねー。でもその前に…あれ東京スカイツリーですよね?」
とまずはその方に、遠くに立つスカイツリーを確認。
「そうですよー」
「テレビでみて想像してたけど思ったより高くないですね(暴言失礼)」
「いや~大きいんですけど、意外とみなさんそうおっしゃるんですよね~笑。大阪の方は通天閣のほうが立派と言われてました笑」
「でもまあ、沖縄にはあんなに高いものはないですけどね~笑」
「あれ!お客さん、沖縄からですか!?」
「そうですよ」
「僕、宮古なんですよ。」
「あら!」
沖縄在住の私が雷門の前で沖縄宮古島出身の人力車ガイドさんにお会いするなんて。
雷門前にはたくさんの観光客がいてガイドさんは他にも山形、北海道と他県出身の方もたくさんいらしたのに(後から聞いた)。
これはせっかくのご縁なのでと彼のおすすめのところを案内してもらうことにしました。
人力車に乗せてもらいながら
よくお顔を見ると確かにウチナーンチュ顔の(20代に見える)H青年。
この仕事は勤めて1年半になるとのこと。
彼の浅草商店街のガイドは流暢でわかりやすく、とても元気で丁寧でした。ところどころ誇らしげに六区の説明もしてくれました。浅草が好きなんですね。
案内の途中、沖縄や宮古島の話も少ししましたが
「最近は宮古も雰囲気が変わってきてしまってますね」
と島が発展するのはいいけど宮古らしさがなくなっていくことを少し寂しそうに話してました。宮古も好きなんですね。
Hさんの将来の夢まで聞くことはできませんでしたが(短い時間だしちょっと図々しいかと思って笑)
人力車と一緒にこれから何か大きなものを引いてゆくのかも、と思いました。
あれから10年。彼はどうしているのでしょう。元気でいるといいなあ。
観光業はコロナの影響でインバウンドも激減し苦境にあります。けれど昨日のニュースでインバウンド受け入れ再開にむけて英語を学ぶ人力車ガイドさんの模様が放送されていました。
伝えたい文化や伝えたい何かがあって、それを誰かに伝えたいと思う人がいたら、自分が知らない何かを知りたい、何かを見たいと思う人もちゃんといます。
これからの観光業はコロナ禍前とは異なる形になるかもしれませんが、無理なくリスタートできるといいですね。
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