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新人マネージャーに伝えたい話:問題の解像度を上げようよ、という話

問題解決のためには、問題の「解像度」を上げよう

マネージャーとして仕事をしていると、というかなんの仕事をしていても、いつも万事快調問題なし!ということはない。必ず仕事をしていると何かしらの問題が起こってきます。(むしろ、この問題を解決することを“仕事”と呼ぶのでは。)

問題を解決する時に一番最初にやらないといけないことは、手段やツールを考えることではなく、その問題の本質を明らかにすることです。つまり「何が問題なのか」をはっきりさせる必要があります。

この時、大切なのは、目の前で起こっている問題の「解像度」を上げること。

これは、元日本マイクロソフトで「プレゼンの神」と呼ばれた澤円さん(@madoka510)がVoicy、Twitterなどでよくお話しされていて、なるほどな~と非常に感銘を受け、日ごろ意識するようにしています。

問題が漠然としていたり、具体性が無かったりする状態というのは、言うなれば写真の解像度が低い状態。100万画素くらいの粗い写真で、「人が映ってるのは分かるけど、誰だかわからないな~」みたいなもの。

これを、もっと解像度を上げて800万画素くらいにすると、きちんと誰が映っているのかわかるようになる。1200万画素くらいまで上げると、映っている人の顔のシワまで見えるようになる。

問題解決の際には、この「解像度を上げる」作業がとても大事です。

部下からの相談

先日、部下から問題の相談を受けました。

弊社は訪問介護の事業所、いわゆる「ヘルパーステーション」です。 彼はまだ20代、弊社のある事業所の管理者に就任して、ちょうど1年くらいになります。

管理者は自分の事業所に所属しているヘルパーさんのシフト作成、介護技術も含めた業務指導を行うわけですが、自分の事業所のヘルパーさんについての相談でした。

管理者「新人ヘルパーのAさんが、入社してもう3ヵ月もたつのに介護技術に成長が見られないと、他のベテランスタッフたちから不満や指摘の声が上がっています。本社で技術研修など開催して、参加させられないでしょうか?」

こうやってきちんと自分の事業所のスタッフことを上司に相談してきてくれるのは、管理者として素晴らしいことです。しかしこの質問に対して、スパーンと解決方法を提示するにはちょっと情報が足りなさすぎる。まずは問題の解像度を上げる作業が必要です。

「介護技術に成長がないってことだけど、具体的に何が苦手なの?」と質問してみたところ、

「僕自身はあまり現場で彼女の仕事を直接見てはいないのですが、よく同行してくれているFさんからそういう指摘があって、他のヘルパーさんからも同様の不満の声が出ています。」

ほうほう、自分で直接見たわけではないんだな。「では、もうちょっと具体的何ができて何ができないのか、ヒアリングしてみてもらえる?」とお願いしてみました。すると

「新しい利用者の家に連れていって業務内容を教えると、後ろでしっかりメモを取っているんですが、それで満足してしまうみたいです。結局そのあとで現場に一人で入ると内容を憶えていなくて、同じことを何度も聞いてしまうようです」

そうなってくると、それは介護技術の問題ではなくて、本人の姿勢の問題だよね?ということが明らかになってくる。さらに、「本人はそれに対してどう思っているんだろう?」と問いかけてみたところ

「それは…どうですかね…」

と言葉に詰まってしまいました。どうやら管理者から本人に対しても、特にフィードバックなどしていなかったことが分かりました。

この問題は「新人ヘルパーの技術が向上しない」ことが問題だったのではなくて、「管理者(または先輩)が業務の達成度をきちんとフィードバックしていないので、ヘルパー本人の自覚がない」ことが問題でした。

そうなってくると、果たして最初に相談をうけた「技術研修を受けさせたい」というのは解決策にはなっていなかったことが分かりました。

こういうことを、管理者自身が自問自答できるようになると、もっと早く問題の解決に向かえるようになります。


気が向いたらもうちょっと書き足します。



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