【ままならない】
4階病棟に移ってからは、忙しかった。
本来なら12月に退院して仕事復帰する予定でいたが、水没で退院も延びた。
マジでどうして良いのか自分でも分からなくなっていた。
とりあえず自分の中でやることを整理した。
自宅にいる時は、全てPCで行っていたのをスマホでやらなくてはいけないので大変だった。
何が大変かと言うと文字打ちが辛かった。
手が不自由だと苦労する。
例えばカーソルを任意の場所に動かしたい時など、とても大変だった。
話を戻すと、スマホのメモ帳にやらなくてはいけない事を書きだした。
そうすることで見えてくる。
仕事と同じだった。
とりあえず上司に現状報告をし、12月までは溜まっていた有給を消化してもらった。
全部使い切ると後々大変かと思い9日残した。
12月からは病休扱いにしてもらう事にした。
病休にするには診断書が必要だと言われた。
聖さんに、診断書が欲しいと言うと先生に直ぐ頼んでくれた。
受け持ちだと、こんな時は便利だなあと感じた。
そう言えば、この病院に来て主治医の先生について話をしていなかったが、とても良い先生だった。
回診の時に病室にいないと探して来てくれた。
また、ナースやリハさんの話によると、とても気さくで飲み会にも顔を出してくれると言っていた。
「もっちー」と愛称で呼ばれ、人気があった。
診断書を取ってもらうと、スマホで診断書を撮影しPDFにしてメール添付で送った。
昔では考えられないことだ。
便利な世の中になったと思った。
次に火災保険の代理店の人に電話した。
この人は知人でとても信頼してた人だった。
電話で水漏れの話をすると、被害者なのだからどんどん遠慮なく言った方が良いとアドバイスをもらった。
ちなみに僕が掛けてる保険は出ないのですかと聞いたところ、「こっちが被害者なのだから出ないよ」と言われた。
この先、相手の保険会社からしつこく聞かれ、度々保険出ないのかとその知人に伺ったところ同じ回答だった。
水漏れも妹に任せっぱなしで悪いなと思いながらも電話でやりとりした。
しかし、一向に進展がなかった。
つづく
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?