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エド・ウッド

好きな映画は数あれど、好きな監督は限られますよね。

監督で映画を選ぶようになると映画の見方が変わる。

その監督のアイデンティティに気づく事が出来るからだと思います。

その監督を知ると他の監督との比較ができ、違いが分かる。違いが分かると、ネスカフェゴールドブレンドも楽しめます。

そんな事はどうでも良い。

初めて好きになった、好きだと自覚した監督、「ティム・バートン」

ティムの監督作品、「エド・ウッド」史上最低の映画監督と謳われた彼の半生を

ファンであるティムが「ジョニー・デップ」を主演に撮った白黒作品です。

1994年の作品だが、白黒という事もあり、古臭さは一切ないです。

今や大御所となったJD(ジョニー・デップ)の軽快な演技は見所沢山。

周りを固める俳優陣もいい味を出してる。ティムの作品のキャスティングは結構決まった人が多いのですが(JD、ヘレナ・ボナム=カーター)、それ以外の方も雰囲気が皆似ていて観やすい。キャラクターのごった煮な感じがありながらも纏るのは彼の作品の大事なポイントだと思います。

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チャーリーとチョコレート工場なんか正にって感じ

エドは劇中でうまく行く事はほぼ無いです。それでも彼は進みます。

根性とか気合いとかじゃ無く、「愛」です。映画への直向きな愛を手に自分の好きな撮りたいものを撮り続ける。評価される事への恐れは自分を小さくしてしまいますが、彼の目を観るとそこには「愛」以外のものは何も無い。

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上記の「死霊の盆踊り」は実際に見たが、マジで酷い。

彼は映画が好きな人だと作中でも描かれていますが、『好きに理由はいらない』『好きこそ最強』『好きこそ物の上手なれ』などとよく嘯かれていますが、自分自身が知る限り彼、エド・ウッドの好きは最早「愛」に昇華されていたのだと思います。(こうなると前述した、好きは〜が一切当て嵌まらない事も納得できる。)

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エドを演じるJDは本人が乗り移ったかのよう。その演技をティムが撮るわけですから最高に成らないはずが無い。本作のJDの瞳はとても綺麗です。本当に。

そして忘れてはならないのが作中、ドラキュラ役でブレーク後ヤク中老人ベラ・ルゴシを演じる「マーティン・ランドー」。

彼の作品も、ベラ・ルゴシも全く知らなかったですが、本当に機微のある良い演技です。(本作でアカデミー助演賞受賞した)音楽で例えるなら泣きのギター、切ないテクニカルなフレーズ。(宇多田ヒカルの秀作オートマティックの最初的な?)特に、自宅前での撮影のシーンと映像は感涙必至です。

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ティムの作品はキャラクターに再現なく言及できるので、そこも良いです。

言葉だったり、体現される事の多い「愛」ですが、「エド・ウッド」には表せない愛が沢山溢れています。是非とも鑑賞お勧めします。

Paalam na.


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