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PATERSON(パターソン)

ジム・ジャームッシュ監督作品

JJ監督も大好きだ。よく「スローテンポ」「ダウンビート」なんて形容されている作風は、観る人によっては退屈かもしれない。お喋りばかりで場面は変わらないし、殺人事件とかもないし、特段何も起こらない作品ばかり。この作品なんか正に。

でも、最高なんだ。そこが最高だと言ってもいい。言い切ろう。そこが最高。

前述したように、この作品は何も起こらない。事件といえば、まあバスが故障するくらいなもんだ。

主人公パターソンの月曜から、日曜までの1週間を彼の詩と共に綴っている。

この作品の好きな所は、視覚的に素晴らしいとか、ギャグセンあるとか、そこじゃない。「毎日は素晴らしい」と日々の普遍性の素晴らしさを描いている点。

パターソンは決まったルーティンで生活をしている。所謂フラットな状態。そこに、現れる物や人を一つ一つ丁寧に捉え、向き合い、琴線を揺らす。それを詩に昇華している。心がフラットなら、少しの事象も良いスパイスになり得る。彼は日常に幸せを見出し感じている事。

人生に置いて、多くの人は刺激を求め、人生を楽しくしようと行動している。その刺激は恋愛、趣味が殆どだと思う。セットなら尚良し?その刺激、幸せとやらは大抵が、外的要因でしかない(人間関係に限るが)

不倫や、浮気、利己的で私利私欲に塗れた昨今。ジョンレノとオノヨーコ、ジャイアンの詠う心の友は何処?幸せは?

他人の与太話で「私も一途なパートナーが欲しい」と嘯く、浅はかさに反吐が出そう。そんな彼、彼女は移ろい易い気持ちに流され、意中の他人様の彼、彼女と遊戯に興ずる。共に多摩川上水で身投げしてしまえ。

文句になった。

幸せに大小は無く、少なからず日常は幸せ溢れてる。物に恵まれ、環境に恵まれ、その当たり前を幸福と感じなくなっている人は凄く周りに多いと感じます。

最早日常に刺激を感じない不感症に罹患しておられる御人はこの作品を是非鑑賞して欲しい。毎日の尊さに気付けると良いですが。(これは薬ではありませんので、お気を付けください)

勿論、俺は毎日が幸せです。言葉にする事も愚行だと思うほどに。

Paalam na.


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