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マイナス金利政策の誤解

こんばんは。飯能高校探究部のギンです。
今回は、マイナス金利政策について誤解があるように感じるのでマイナス金利政策の誤解について話していきたいと思います。

マイナス金利政策とは?

今まで、何回もマイナス金利について解説していますが、また解説しようと思います。

マイナス金利政策とは、市中銀行が日本銀行に預ける日本銀行当座預金のうち一部にマイナスの金利をつけて貸出金利を一段と低下させるものです。

さらに具体的に言うと、日本銀行当座預金をそれぞれ+ 0.1%の金利がつく基礎残高、ゼロ金利のマクロ加算残高、−0.1%のマイナス金利がつく政策金利残高に分割し三層構造にしたものです。

日本銀行当座預金の政策金利残高に−0.1%の金利を適用し、マクロ加算残高にゼロの金利を適用します。

そうすることで、政策金利残高とマクロ加算残高の−0.1%〜0%の間でのマイナス金利で裁定取引に短期金融市場において行うインセンティブを生じさせてマイナス金利を実現させています。

ただし、日銀当座預金の規模が大きく、そのすべてにマイナス金利をかけると、金融機関の負担が大きくなりすぎます。

そうなると、金融仲介機能に悪影響を与えるリスクがあります。そのため、日本銀行当座預金に三層構造を採用し、政策金利残高にマイナス金利をかけるという方法をとっています。

そうすることで市場金利に十分影響を与えると同時に、副作用はできるだけ小さくするような設計となっています。

https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2022/data/ron220330a.pdf
https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2022/data/ron220330a.pdf

マイナス金利政策の誤解

今、マイナス金利政策の説明をしましたが、マイナス金利政策は以下のような説明(誤解)をされることがあります。

「マイナス金利政策は、市中銀行が日本銀行に預ける日銀当座預金のうちの一部にマイナスの金利を貸すことで市中銀行は日本銀行に預けていてもお金が取られてしまうので、企業や家計への貸出をすることを狙った。

このようにマイナス金利をつけると市中銀行が企業や家計への貸出を増やすことを狙ったような説明が教科書でもされていることがあります。

しかし、先程も説明した通り、マイナス金利は市中銀行が日銀当座預金を企業や家計に貸出することを狙ったのではなく、貸出金利の一段の低下を狙ったものです。

どちらかというと企業や家計に貸出をするではなく、短期金融市場(コール市場)でほかの銀行にマイナス金利で貸出すというのが正解だと思います。

まとめ

今回は、マイナス金利政策の細かい部分について話しました。
これからも、この説明違くない?と思ったものも色々取り上げたいと思いますのでよろしくお願いします。


〜顧問のつぶやき〜
今回もギンは自身の興味のある分野を深掘りしてくれました。

今日もギンと少し話をしたら、大学生向けの専門書を購入していました。早い段階でどうにか大学の講座にでも参加させてあげたいものです。

例えば飯能からも足を運べる距離にある中央大学では経済学部 科目等履修生制度というものがあります。

以下、中央大学のサイトからの引用です。

大学生の授業を受講できる「科目等履修生制度」について、経済学部では、高校1年生から出願できます。
高校生は審査料・登録料・科目履修料がすべて無料となるほか、中央大学経済学部に入学した場合、修得した単位は申請にもとづき、本学部の単位として認定されます。
大学生と通常の授業を一緒に受講することで、大学の学びを体感し、将来の学部選択に役立てることができます。
興味のある方は是非ご出願ください。

また、科目等履修生として「経済入門」を履修することは経済学部の特別入試「高大接続入学試験」の出願資格の一つにもなっています。

このように大学では高校生向けの講座を用意している場合があるので、自分に合うものを探し、早い段階で参加してみると良いと思います。




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