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『西武沿線の不思議と謎』を読んで その1

みなさんこんばんは。飯能高校 探究部 顧問のMr.Mです。

先日、部員の妹紅がその昔に実在した天覧山駅について記事を書いてくれました。

天覧山駅、そして西武線がずっと気になっていたので、飯能高校が誇るすみっコ図書館に行って司書の湯川さんに「こんな本ありますかね〜」と相談。

湯川さんに頼むと自分の求めている情報源にたどり着ける、そんな安心感があります。

早速、西武線に関する書籍を数冊教えてもらい借りてきました。

その中の1冊が、高嶋修一(2016).『西武沿線の不思議と謎』.  実業之日本社  . です。

今回はその本の中で「飯能」というキーワードが出てくる武蔵野三十三観音霊場について書きます。

武蔵野三十三観音霊場

武蔵野三十三観音霊場の名前は今まで何度となく目にしてきましたが、どこで目にしてきたのかはっきりと思い出せません。おそらく子の権現(32番 天龍寺)の看板に書いてあったような・・・。

この武蔵野三十三観音霊場に関して本文にはこうあります。

この霊場は1940(昭和15)年に選定された。戦時下にあった時代、戦勝を願うためか霊場巡りが流行。郷土史家の柴田常恵氏が「国運の隆昌と戦没者の慰霊を観音の慈悲にすがる」という趣旨で霊場会を結成し、巡礼コースを選定した。

これがまた興味深いのですが、札所の位置は池袋線に沿うように分布しているものが多いです。これは武蔵野三十三観音霊場の寺院の「選定基準の一つは、池袋線(当時は武蔵野鉄道)の沿線にあることが求められた」からだそうです。

その理由として以下とあります。

四国遍路や西国巡礼など、鉄道が誕生する前からあった霊場は、徒歩による巡礼が基本であるが、武蔵野三十三観音霊場が誕生したのは、すでに鉄道が敷かれていた時代であり、鉄道で巡ることを考慮した

ちなみに飯能市にある武蔵野三十三観音霊場は、

23番 浄心寺(矢颪やおろし毘沙門天)
24番 観音寺
25番 圓泉寺(本著では「圓泉寺」表記ですがHPを見ると「円泉寺」と書かれています)
29番 長念寺
30番 福徳寺
31番 法光寺
32番 天龍寺子の権現ねのごんげん
33番 八王寺(竹寺)

以上の8ヶ所となります。

気になったのでGoogle Maps上に上記の8ヶ所を赤色でピン留めしてみます。

そうすると25番 圓泉寺(マップ上で一番右端)と32番 天龍寺子の権現ねのごんげん)とその下方にある33番 八王寺(竹寺)は西武線沿線というにはちょっと離れすぎていることがわかります。

これを見るに、武蔵野三十三観音霊場の選定は西武線沿線+アルファがあったように思われます。

ちなみに25番 圓泉寺(マップ上で一番右端)のすぐ隣にあるのが、先日しおさんが食レポしてくれた中華レストラン西華苑です。なにかつながるものがありますねぇ。

残念ながらこの本には天覧山駅のことについての記述はありませんでしたが、武蔵野三十三観音霊場以外にも飯能についての言及はあったので、別の機会に引き続き紹介したいと思います。

さて、明日は探究部の定例会。今年度のプロジェクトの一つである4000字レポートを始動します。

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