見出し画像

飯能の製造業の予想

おはようございます。飯能高等学校 探究部のギンです。

今回は、飯能の製造業の予想を金利、為替レート、国内需要、外国の需要に分けて話していきたいと思います。

金利

日本銀行は、2022年12月からイールド・カーブコントロール(YCC、長短金利操作)を徐々に柔軟化してきました。それで長期金利(10年物国債金利)が上がったので、すでに固定金利は上がってきています。

今後は、2024年4月の金融政策決定会合で、マイナス金利の解除やイールド・カーブコントロール(YCC、長短金利操作)の廃止が行われると予想します。

その際に、2010年からはじめたETFおよびJ-REITの買入れは、株式市場のリスクプレミアムに働きかけ株式市場のボラティリティを抑制してきました。

最近の株価は、堅調な動きを見せていて、すでに日本銀行はETFおよびJ-REITの買入れをすでにほぼしていないので、一緒に廃止する可能性があります。

オーバーシュート型コミットメントは、国債市場の不安定を避けるために残すか通常の量的緩和に移行すると思います。

短期金利は−0.1だったのを0にしてゼロ金利になると思います。
長期金利は残存期間に対応する将来の短期金利の期待値の平均 + タームプレミアムで決まるので上昇すると思われます。

そのため、短期と長期どちらも上昇すると思いますが、いずれにせよ低金利が維持されるのと期待インフレ率上昇により名目金利が上がっても実質金利が低下して大きな影響はないと思います。

あと、今は日銀当座預金を三層構造にして政策金利残高とマクロ加算残高の間で−0.1から0までのマイナスレートになるように短期金融市場の金利を促していましたが、ゼロ金利になったときに三層構造の枠組みがどうなるのか気になります。

https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2022/data/ron220330a.pdf

為替レート

私はしばらく円安相場が続いたあとに円高方向に動いていくと思います。

その理由は2つで、内外金利差の縮小と円キャリー・トレードの巻き戻しです。

内外金利差の縮小

今まで、資源価格の上昇、サプライチェーンの混乱、コロナ後の需要回復などを背景に世界的なインフレが起きました。

インフレ退治のために、世界中で金利を引き上げましたが日本は、インフレの中心が食料品でサービスの上昇は緩やかであったり、賃金上昇が鈍かったことからマイナス金利を維持していました。

そのため、内外の金利差が急激に拡大したことで急激な円安を招きました。

しかし、そんな利上げも、もう終わりに近づいてきています。

https://www.cmegroup.com/ja/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html

これは、フェデラル・ファンド金利先物市場での政策金利の予想です。

見てみると現在のフェデラル・ファンド金利の誘導目標5.25%〜5.5%がターミナルレートでその後は、利下げが織り込まれています。
そのため、しばらく円安が続いた後に利下げによって金利差が縮小して円高方向に行くと思います。

円キャリー・トレードの巻き戻し

まず円キャリー・トレードとは何か説明します。

円キャリー・トレードは低金利の円で借りて高金利のドルなどで運用することで金利差が大きく為替のボラティリティが低いほど有利になります。

例えば日本の短期金融市場で100万円をゼロ金利で借ります。
その後、アメリカの短期金融市場で運用すると5.5%なので金利差分の5.5%(55000円分)が利益になります。

そんな、円キャリー・トレードの規模を見るのに参考になる外国銀行在日支店の本支店勘定(資産)をみると2008年以来15年ぶりの高水準になっています。

今後、しばらく大きな金利差が見込まれて足元の為替レートは、150円台で安定しているのでもっと増加していくと思います。

しかし、 円キャリー・トレードは、大きな金利差と為替レートが安定していることが前提なので金利差が縮小すると巻き戻されます。

先程、説明した通り、今後の海外の利下げ、日本での金利上昇による金利差の縮小=利益の減少によって、円キャリー・トレードは、巻き戻されます。そうすると今まで、売られてた円が買い戻されて円高になります。

リーマンショックの前に、急速に拡大していた円キャリー・トレードは、リーマンショックによる金利差の急激な縮小によってその後、円は急騰しました。
その時については日本銀行がレポートを出しています。

日銀レビュー、キャリートレードと為替レート変動https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2009/data/rev09j05.pdf

このような2つの理由で、しばらく円安相場が続いたあとに円高方向に動いていくと思います。

なぜ、今回このような話をしたかというと、飯能市には影響を受けやすいであろう製造業があるからです。

飯能の製造業は、輸出に回りやすい電子部品・デバイス・電子回路製造業、輸送用機械器具製造業が中心なので大きな影響があると思います。

国内需要

国内需要は、足元のGDPなどを見ると、物価高の影響を受け、弱含んでいますが春闘労使交渉による賃上げが行われるもとで、ペントアップ需要の顕在化などによって緩やかに回復しています。

2024年の春闘労使交渉でも、ある程度高い賃上げが実現され、政府の経済対策によるガソリン価格の引き下げや所得税の減税、低所得者への給付などによって徐々に回復していくと思いますが、堅調な強い動きにはならないと思います。

海外需要

海外経済は、コロナ後の景気回復により堅調な動きとなっていました。

しかし、インフレ退治のための急速な利上げによって国や地域ごとにばらつきはありますが景気は今後減速し、需要が弱くなっていくと思います。

その後は利下げによって徐々に景気が、回復していくのだと思います。

まとめ

円安の影響はしばらくの間、安定的に推移することが予想されます。

しかしその後は、海外需要の減速や円高などの要因により製造業は減速すると予想されます。

しかし、国や地域によってばらつきがありますが利下げによる海外需要の増加が見込まれ、それに伴い徐々に製造業は回復し横ばいの動きになると予想されます。

したがって、短期的には安定が予測されつつも、中長期的な展望では海外需要や為替の変動が製造業に影響を及ぼすと思います。

脳内イメージだとこんな感じです。↓


〜顧問のつぶやき〜
探究部のギンは金融政策や経済動向などへの興味・関心度がものすごく高い生徒です。

高校1年生でこれだけ興味・関心を持てることがあるだけで素晴らしい。

そして常に情報を仕入れ、自分の頭で整理し、周囲の友だちにその情報を教えたりしている姿を見かけます。インプット〜アウトプットができるってすごいこと。

ぜひギンの記事をお読みの方でこの手の分野に詳しい方に助言していただきたいです。

顧問としては、ギンと経済学部などの大学生との関わりを持たせてあげたいと考えています。あとは外部のセミナー参加などかなぁ。

ギンの知的好奇心を持続させ、さらに深い学びができる機会をつくってあげたいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?