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ジャズ研換算(3)

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学年ごとの到達目標、どうでした?
「だいたいジャズ研換算どおりだな」と思いました?
「うっ…満たせてないわ」と呆然とした方も多いかもしれません。

ジャズ研換算法はリズム楽器(ピアノやギターなどのコード楽器、ドラム・ベース)にはまず妥当な成長指標だと思います。

実はフロント楽器(トランペット・サックス・フルート・クラリネット・トロンボーン)にとっては、ちょっとハードルが高い。
サックスの「できる子」もしくはトランペットの「相当できる子」がだいたいこの基準だと思います。


フロント楽器は成長がおそい

実は30年くらいジャズ研界隈を見渡して思いますが、

  • フロント楽器よりもリズム楽器の方が明らかに「仕上がり」が早い

  • サックス>トランペット>トロンボーンの順に成長が早い

という法則があります。

考えてみると不思議です。
ピアノやギターって、やらなきゃいけないことはフロント楽器よりも沢山あるんです。バッキングとかボイシングとか。
むしろ成長する難易度は高いように思える。

フロント楽器はメロディーとアドリブソロだけだから、成長しやすいんじゃないか?と僕も思ってました。
けれどプレイヤーとして「仕上がる」にはフロントの方が時間かかる。
到達できる人も多くない。

なぜかはわかりません。
エントリーする人間の資質がそもそも違う、実際に楽器に触れる時間、バッキングそのものがアドリブソロの独習の近道になる、など理由はいろいろあるのかもしれない。

トロンボーンはもっと遅い

また、フロント楽器の中では、お気づきの通り、トロンボーンがもっとも不利です(筆者はトロンボーン吹き……涙)。

「剣道三倍段」という言葉があります。
同様に、トランペット二倍段サックス三倍段と僕はいいたい。
つまり、トロンボーンにくらべトランペットは二倍早く、サックスは三倍成長が早い、と僕は思っています。つまり6年生のトロンボーンは2年生のサックス、3年生のトランペットと同じくらい。

(これ、最初に書いたの私です。初出は2005年くらい)

まとめ

ジャズ研換算(1) にもどって考えましょう。
例えばうまいピアニスト・ギターはこの通りに成長して卒業してゆきます。

しかしトロンボーンの場合、卒業の時点でジャズ研「2年生」に到達しているのは、多分10%もいません。「1年生」さえ越えられない。
というか、そもそもアドリブ人口が少ない。

実際アマチュアの社会人セッションに行っても、トロンボーンにはほとんど出会いません。
多くはビッグバンドの非ソリストとして活動し、申し訳程度に与えられたビッグバンドのソロを吹き、そのままジャズの世界を去ってゆく。
これが統計的な事実です。

でも、私は強調したい。
トロンボーンでもジャズは楽しめるということを。

はっきりいうけどね、ビッグバンドのトロンボーンのお手本のソロ、無茶苦茶技術的に難しいわりに、何やっとるかわからんからね。
もっとわかりやすいソロをコンボで吹いた方が、絶対楽しいから!

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