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言い訳ばっかりしないで、夢中になって生きたい

スガシカオのライブに行ってきました。

一緒にいる人が自分を変えていく、とはよく言うけれど
上司がバンギャで(今日はムックのバンTを着ていた)
入ってきた後輩もバンギャで(ノートパソコンの外側にサマソニのチラシを貼っている)

わたしはここもう何年も、プロのライブには行ってなくて、
貧乏だったし、今もそうだし

でも、どうしても
奴らが、チケットの当落に一喜一憂し
ライブの日に意気揚々と休みを太字で入れるのが羨ましかった。
あいつら、あんなに行ってるならわたしだって行ったっていい気がする。

それでもなかなか勇気が出なくて、
友達に相談して、結構ライトに「行きなよ」「行こうよ」と言ってもらえたので
厚木そんなに遠くないし
行ってみることにした。

4月17日に新譜をリリースしてから、10日後のライブ。
意気揚々とCDを買って、
いろんな気持ちを飲み込んでCDを聞いて、聞きまくって

2階席の後ろ、視力なんか全然よくないからはっきりは見えなかったけど
段になっていたから、大変に見晴らしが良かった。
そして、表題曲「労働なんかしないで、光合成だけで生きたい」からライブがはじまって、
「うっわ!!!本物だ!!!」と思った。

なんとなくスガシカオは、ストレートスタンドのイメージだったんだけど、
やっぱりストレートスタンドでギターを弾いてうたっていた。

ついこのあいだ、バンド漫画「ギヴン」を描いている友人に、
「ギタボはストレートは使わん」と教え、
アニメのスタッフの方にも、スタジオでブームスタンドを撮影して送ったばっかりなのに
(ギヴン、7月からノイタミナでアニメやります。よろしくおねがいします)

今度会ったら、「スガシカオは除外」って伝えとく

そんなことに気になったもの一瞬で、
聞き込んだアルバムの1曲目、まさしく本物だった。

スガさんといえば、コーラスワークと鍵盤がキモになっていることが多いんだけど
今回は、ギター、ベース、ドラム、ホーンセクション、コーラスはひとりという男気感じるバンドセット。
こういう編成はめずらしいんじゃないかな…

2曲目は、めちゃめちゃ好きなアルバムの1曲目「バナナの国の黄色い戦争」で
大好きなのに、自分では絶対に弾きたくない、
パワフルなホーンが引っ張る曲。

途中でソファーを出して演奏していたアコースティクセットは、
「その日のファン投票で曲を選ぶ」という内容だったんだけど、
「え?おれこれギター弾けないよ??」
「これは弾き語りでもつから」と話す姿や、
デビューアルバムの名曲「月とナイフ」を、
「古い曲だけど」とつぶやいているそれは、
なんだかすごく、身近なバンドマンにように思えた。

照明もきれいだったなー現代人でよかった!
アンコールまで、隠し球を取っておく戦法だったり、
いやそもそも取っておける手玉の数がもう現代だし、
ストロボもそういえば、ライブ通して1回だけだったな。決め打ちだった

必殺技ってやっぱりかっこいいから、
わたしだったら、1部と2部とアンコールの3回使ってたわ

そうやって、
必殺技を最後に残して、
最後の一滴まで、走り抜けて

「Progress」をうたっていましたね。
聞けるとは思わなかった。
前作の「THE LAST」からも、メッセージ性の強い曲を演奏していた。

そうだ、きっと伝えたいことがあったんだ。
そしてそれを伝えるために、他の曲があって
その曲には音そのもののおもしろさや、誰かのソロだったり
別の役割があって、

そして、伝えるために決して、声を張り上げ続けたりしなかった。

わたしはこのあいだ、自分の歌い方に対して
「サビで歌い方変わってる、声を貼りすぎている」
「AメロBメロみたいにうたってごらん」とアドバイスをもらって
まじかよ、と思った。
伝えたいことは声を張り上げたいと思っていた。

でもそうじゃなくて、
音も大変よかった、
全てが分離していて
あの規模と音量で、フルートの音が埋もれなかったときには感動した。
それでありながら、スガさんの声は一度も埋もれず
歌詞が聞き取れない、ということもなかった。
もちろん、何かが大きすぎて何かが聞こえない、ということもない。

伝える、ってそういうことか。

がつんと殴られた気がした。
そうか、そういうことか。
「伝えたい思いを形にする」ということと、
「伝えるための努力をする」というのは、
きっと全然違うことだ。
ずっと愛してるって言ったってダメだ
ツンデレの方が説得力があるのと一緒だ。

そのときのメンバーで、
その場所で、
何を組み合わせて、
何を、どう、伝えていくか
どういう物語を作るのか

結局、とにかくすごかったという話と
20曲以上、あんな風に演奏して
終演後のいちばんの感想は「長生きしてくれよ…」だった。

「夢中に生きなきゃな」って、MCで話してた。
スガシカオは、もうずっと何かに夢中に生きているスーパーマンだと思っていた。

なんかすごいふつうのひとだった。
それがすごいよかった。
でも、ライブではスーパーマンだった。

磨き続けてスーパーマンになったんだと思う。
わたしもそんな風に、夢中に生きたい。

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