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スクロール

さいきん、このマガジンの更新が滞っている。
というはなしをしようと思っていたばかりだった

「今日は書けない」という旅立ちから
書くことへと回帰する物語たち。

最近は、「書けない」と思うことが減った、と思う。
そういえば、ついこのあいだまで、あんなにじたばたしていたのに。
書きたいのか、書けないのか、ぜんぜんわからなくて
息をしたかっただけなのに、それがずいぶんと難しかった。

今朝、久しぶりに「書けない」と思っている。
なんとかメモ帳から引きずりあげたネタを書いてみたけど、うまく書けなかったから、途中で止まってしまった。

過去のメモをずいぶん古くまで見返して、部屋の中を見て、noteの募集中お題を見て、BGMを変えて

眠ること以外すべて試したけど、なんだかだめだった。
もう、30分も経ってしまった。
そろそろ、家を出る時間だ。

それは予兆があったわけではなく、
どちらかといえば「寝坊しちゃったのにちょっと余裕でラッキー」なんて思っていたところだった。
いま思えば、美しき死亡フラグだったのかもしれない。

メモを、振り返る。
このあいだ、8月くらいまでは振り返った。

今日は、ずいずいとスクロールして3月まできた。
仕事を、休んでいたときのこと。
必死に、生きようとしていた時期だった。
「仕事をする」という、いちばん手っ取り早い生きている免罪符を失ったわたしは、努めねばならぬとやっきになっていた。

あのころの感情のいくつかは、いまも覚えているけれど、すっかりと過去のものになった。
また、いくつかは今でも同じことを言っている。
これはもう、ここ5年くらい繰り返し思うことだった。

それは、懐かしい友達に会うような錯覚だった。
久しぶりに会った友達のうち何人かは、少し緊張する。
話し方を思い出すまでに、名前の呼び方がしっくりくるまでに、時間がかかったりする。

友達だったら、戻れる。
でも、感情の些細なメモだと、そのまま戻れない。
メモ帳の中にいるのは、むかしのわたしで、その言葉をそのまま紡いであげることは、もうできない。

メモ帳の中に、書くべきことはないかもしれない。
今日はそんなタイトルで書いてみようと思ったけれど、いま違う結末を迎えようとしている。

メモ帳の中に、書くべきことはあるかもしれない。
書いたときの記憶そのままを紡ぐことはできないけれど
わたしから生まれた言葉と感情たち。
あのころの未来に、少しおとなになったわたしが紡いであげるのも

それはそれで悪くないかもしれない。
今度は試してみよう、と思えたことを、今日の収穫とする。




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