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お気に入り、について

お気に入り、はわたしをしあわせにしてくれる。

わかっているのに、ときどきうまく使えない。
「お気に入り」だから、大切なときに、と思って
あんまり使われていないもの、っていうのが、あるような気がしている。

このあいだ友達と出掛けたときに、かわいいTシャツを見つけた。
「いいなあ〜〜〜欲しいな〜〜〜」、きっと次のお気に入りになるやつ。
と思ったけれど、Tシャツは去年たくさん買ったうえに、いまの職場はオフィスカジュアルだから、あんまり着る機会がない。
あきらめようかな、と思っていたら、けろりと言われてしまった。
「パジャマにすればいいじゃないですか」

わたしは驚いて、大きく三度、まばたきをした。
そうか、パジャマ。
パジャマでもいいんだ。

お気に入りの服は、特別なお出掛けの日に、って思っていたけれど。
家でも、お気に入りの服を着たっていいじゃないか。
そうだよね、家にいる時間も長いしね。

パジャマにするとたくさん着られる反面、着る機会が増えるから洗濯も増える。
だから、早くお別れしなきゃいけなくなってしまうことが、今でも少しだけ寂しいけれど。
ハンガーラックで眠っているだけになっているTシャツもあるし、
そうだね、家で着るのもありかもしれない。
そうだ、それでもいいんだ。
おうちの、お気に入りだって。

新しいTシャツは、結局買わなかった。
そのかわりに、夏物の衣装ケースから、去年買ったTシャツを引っ張り出した。
青くて、ポケモンの絵が描いてあるやつ。

この”お気に入り”と、今年の夏を過ごそうと思っている。



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