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想像力の優しさが、世界をめぐってゆきますように

その傘の先端には?

少し前にTwitterで見かけてから、駅周りでも看板を見るようになった。
傘を横に持ったとき
その傘は、子供の目の高さになる。
だから、横向きに持つのはやめよう、或いは気をつけよう。という注意喚起。

傘を横に持つことに関しては、ずいぶん前から嫌悪感があった。
勝手に「殺人持ち」と呼んだりして

だって、危ないじゃん。
あの持ち方してる人に限って、傘を振り回しているわけよ。
で、刺さる。
死なないけど、殺人持ち。

そう、傘を横持ちしてる人に限って振り回すし
歩き煙草してる奴に限って、対向者の手で煙草を持つの。勘弁して欲しい

想像力、ではないかと思う。
すべては、想像力が世界を優しくしてゆくのではないか、と。

傘を横向きに持ったら、前後の人に当ててしまうかもしれない
歩き煙草をしたら、すれ違う人に煙草の火をぶつけてしまうかもしれない。

そうやって想像することができたならば
世界はきっともっと、優しくなる。

でも、横向きの傘や、手に持った煙草が、子供の目の高さだとは思わなかった。気づかなかった。
わたしの想像力なんて、うんと小さい
子供のいないわたしは、子供のことがよくわからない
背の低い苦労はいくらでも語れるけれど、背の高い不便なんて検討はつかない。
わたしはうんと、小さな世界で生きている。

みんなそれぞれの困りごとがあって、他人の困りごとなんて、想像するのは難しい。
母が、盲導犬と関わりのある生き方をしていなければ、わたしは盲導犬を援助しなかったかもしれない。

それでも、わたしは考える。
出来得る限りの、想像をする。
そしてその想像は、うんと不完全なものだと自覚する。

わたしたちは考える。
「あなたのために」という枕詞を飲み込んで
それが本当に、自分のためになるのかどうか。
わたしの言葉は、相手を傷つけていないだろうか。
自分のエゴでは、ないだろうか。

そして、わたしたちは見極める。
目の前の人が、出来得る限りの想像をしているのか、と。

不完全な想像と、気遣いの中に生きている。
不完全どころか、間違っていることも多いと思う。
間違えだらけだと言っても過言ではないかもしれない。

でも、見極める。
きっと、わかる。
想像と、愛はあるのかと。

どうか、想像と愛があって欲しい。
少なくとも、わたしの世界はそうまわって欲しい。

想像と愛を持たない人とは、極力関わらないようにしている。

「自分にとって嫌なやつは、自分の周りを不幸にする」

あの日、吐き出された言葉が、ぐるぐるまわる。

どうか、愛と想像力があって欲しい。
わたしと、わたしの愛する人の世界が、そうあって欲しい。

わたしだって、人のことは言えない。
オマエがこんなこと書くのか、って言われたら、ぐうの音も出ない。

でもどうか、想像力の優しさが、世界をめぐってゆきますように。


【photo】 amano yasuhiro

https://note.com/hiro_pic09
https://twitter.com/hiro_57p
https://www.instagram.com/hiro.pic09/


先生が、卒業アルバムに書いてくれた言葉を、いまでも覚えている。
先生、これがわたしの答えです。

知らないことは罪です。
知って伝えないことは、更なる重罪です。



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