音が連ねる記憶

今日はもうダメだ

なーんて思うことは、よくある。
度合いは違えど、めずらしくない。
そんな夜

同居人がいないときは、大音量で好きな曲を流す。
今日は、アニメ「うたわれるもの」の歌集を選んだ。
なんとなく、Suaraさんの声が聞きたくなって

アニメ「うたわれるもの」は、最近になって履修した。
親友、と呼んでくれる男が、勧めてくれたアニメだ。
「これは、人生で影響を与えてくれたアニメのひとつだ」
「君に、ぜひ見て欲しい」と強く推された。

この男は、軽音部の先輩で、いまとなっては「友人」として親しくしている理由は、
いくつもバンドをやったからとか、いまでも音楽で繋がっているとか、ずぼらなわたしに今でも連絡をくれるとか、そういう理由ももちろんあるのだけれど
(わたしは、彼のベースと音楽を信用している。なにも言わなくてもわかってもらえる、と傲慢に過信している)
大学時代、うちに遊びに来てくれたときに「レジェンディアのサントラじゃないか…」と、目を輝かせたあの瞬間から、我々の友情は開花した。

テイルズオブレジェンディア、というRPGは、「テイルズシリーズ」と呼ばれるゲームの中では、結構異端な作品だ。
わたしの中では珍しく、「きちんとプレイし終えたテイルズ」のひとつで、BGMのオーケストラと、主題歌が秀逸だったので、サントラを買った。
いまでも、大好きな作品の一つだ。

「おぬし、テイルズが好きなのか」
「おぬし、レジェンディアの良さがわかるのか…」

思い返してみれば、あのときからわたしたちは親友だったのかもしれない。

そんな男が勧めてくれたアニメだったので「ぜひ見なくては」と履修をした。
シリーズの2期までの終わりでは、息を呑んでしまったことは、今でも忘れない。

音楽は、記憶を連ねている。

わたしは、親友と話した時間のいくつかを、思い出す。
元気かな、と思い出す。
わたしの一押しである「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」は、彼も見てくれていて、現在放送中の3期の話を、だらだらとしたいなあ、と思う。
そろそろ、会いたいなあ、と思う。

身体に襲いかかる靄のすべてが、晴れるような魔法じゃなくても
わたしはさっきより、ずいぶんすこやかな気持ちで、パソコンに前に座っている。

生きているのも悪くない、
また話したい、まだまだ遊びたい。

わたしは彼の「好きなものを好き」というところが好きだった。
まっすぐだった。
かつて、宮本武蔵を好きになったとき、五輪書まで履修したという、その姿勢が好きだった。
もちろん、本人には人生に於けるいくつもの悩みがあるような、繊細な人であるようなことも、友人として知ってはいるのだけれど
好きなものをまっすぐに語る姿は、いつも「すてきな生き方だなあ」と、嬉しくなる。

そのまっすぐさを、今晩思い出している。

わたしだってたまには、悩んだり不安になったりするけれど
好きなものを好きと言って、にこにこしている、その幸福を
いつまでも、大切にしたい。




(関連動画)この友人が参加してくれた楽曲を紹介させてください。






スタバに行きます。500円以上のサポートで、ご希望の方には郵便でお手紙のお届けも◎