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「わすれもの」を発表しない方がよい理由とは。

矛盾していることが大好物のJUNです。

「分かっているのについつい」なんて人間らしいところを見つけると思わず嬉しくなってしまう。

本日は、そんな話題。

「総合的な学習の時間」たびたび取り上げられ「ごみ問題」。

子どもたちが、「ごみの削減」に取り組んでいく過程での”あるある”として、「公園にごみ箱を設置しよう」というものがあります。

この結果がおもしろい。

「よかれと思って公園にごみ箱を設置したら、ごみ箱がなかったときよりもごみが集まってしまう。」

という逆転現象が起こり、子どもたちはびっくらこくのです。
#びっくら

このような逆転現象は、「ごみ箱設置チャレンジ」の度に起きるので、きっと”あるある認定”させてください。

ただ、原因をとことん追究している実践には出会ったことがないため、ここからは僕の予想ですが、

「ごみ箱を設置することにより、公園からごみを持ち帰ろうという意識が薄まった。」

という要因はあるのではないかとにらんでおります。
#じっちゃんの名にかけて

本日は、そんな話題。

この「ごみ箱逆転現象」のようなことは、日常の中にたくさん潜んでいるのです。

その1つが、「わすれもの指摘問題」

それについて、解説していきます。そして、これがけっこう汎用性があるのです。

自分の生活に使うことができないかを考えながら読んでみてくださいね。

▼「わすれもの」を指摘しない方がよい理由とは。

みなさんの学級では、朝の会の中に「わすれものチェック」なぞ、入っていないでしょうか。

あ、いや、それがいけないと言っている訳ではありません。

しかし、その方法によって逆転現象を引き起こす可能性があるのです。

やってしまいがちなよくない例は、

「えー、本日、宿題をわすれた人は、5人です。明日から持ってきましょう。」

のような指摘。

チェック側としてみれば、「わすれた人をはっきりさせ、明日は持ってくるよう心がけてもらう」ということがねらいだとは思います。

しかし、人間は本当におもしろいもの。

わすれてしまった子どもさんは、直接的に言わないにしろ、

「あっ、俺の他にも4人もいるのね。1人じゃなくてよかった。セーフ。」

と思ってしまうかもしれないのです。

さらにさらに、指摘することによって被るデメリットは、「わすれなかった人」にも及びます。

「えっ、5人。結構わすれてんじゃん。なんだ、無理して取りに帰る必要なかったな。」

みたいな感じで、ちょっとした心の油断が生まれるかもしれません。

何が言いたのかというと、

「わすれている人が数人いると、変な安心感が広がって、もしかするとわすれものが増えてしまう。」

ということ。

ここでおもしろい実験を1つ。

アリゾナ大学の心理学教授のロバート・チャルディー二さんが、アリゾナの化石の森国立公園で行った実験をご紹介します。

その公園では、貴重な「化石樹木」の盗難に悩んでいました。

公園側も困ってしまい、

「毎日化石樹木が盗難にあっています。その量は、年間14万トンにものぼります。」

という看板を立て、注意を促しました。

しかし、チャルディー二さんの実験では、この看板が先の逆転現象を起こしていることを確かめました。

そう、「14万トンもなくなっているのなら、僕も持って帰っていいかな。」と思ってしまう人が続出したのです。

むしろ、「看板を設置しない方が盗難が減った。」というのですから、まさかの展開ですよね。

これは、人間の特性である「多数派に属したい」という心理が働いています。

だからこそ、話を教室に戻すと、「わすれもの」を減らしたいのであれば、

「みんなわすれずによく持ってきたね!!」

と、「わすれなかった人を褒める」方が効果的なのでしょう。

ぜひとも、知らず知らずのうちに「わすれもの許容」を起こさないよう、言葉がけには注意してくださいね。

▼まとめ。

本記事では、「よかれと思ってが、逆転現象を引き起こすよ!」という内容をまとめました。

日常生活の様々な場面でやりがちですので、ぜひとも、効果的な方法を見直してみてくださいね。



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