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教師の「みとり」が全て!~子どもの可能性を信じ、安定学級を手に入れる~

本来であれば、学級開きを終え、本格的な学校生活が始まる頃です。休校措置は、まだまだ続きそうですが、再び学校に子どもたちの元気な姿が戻ってくることを願って、本記事を書こうと思います。

本日の話題は、自己紹介を成功させ、安定学級という目標達成に必要不可欠な教師の「みとり」と、みとりを生かした「声掛け」について書きます。

「ピグマリオン効果」と「成長的マインドセット」を生かした、安定学級への道。

ピグマリオン効果とは、アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱された、「期待と成果」に関する効果のことです。教員採用試験によく出題されますよね。簡単に言うと、「人間は期待されると、期待されただけの成果を上げる傾向がある。」ということです。これは、学級経営をする上で基本的なスタンスとなります。そして共に取り入れたいのは、子どもたちの考え方を「成長的マインドセット」に整えるということです。だれもが頑張ろうとしている4月。意欲が高まっているからこそ、安定学級へ向かう道が大きく開けているのです!子どもの具体的な姿を教師がみとって言語化し、「その姿勢が、絶対にあなたを成長させる。」という意識をもたせてることを意識して学級経営をしていきましょう。

間接的に期待を伝えることで、説得力アップ!

ピグマリオン効果を意識した効果的な声掛け方法を紹介します。もちろん、普段から子どもたちへの期待を言葉や態度で伝えることは大切なのですが、学級にお客さんが来たときは子どもたちのモチベーションを高める最大のチャンスです。例えば、教育実習生が来た時に・・・。

「では、〇〇さん。1か月よろしくお願いします。ちょっと最後に自慢なんだけど、この学級は、最高の子どもたちが集まっているんです。授業中は、元気に自分の考えを伝えられるし、否定的な意見を言う人もいない。当番活動にも進んで取り組んで、お手伝いにも積極的。間違いなく、この学校、いや日本一の学級だと僕は、信じているんです。」

というように、第三者に向かって自分の子どもたち自慢をしましょう。「先生は、みんなの可能性を信じて期待しているよ!」ということを大げさに伝えていく方が効果的です。このように期待を込めて紹介された子どもたちは、その姿を実現しようと自然と振舞うようになっていきます。

特別な行事もチャンス!

子どもたちへの期待を伝えるときには、普段とは違った特別活動、行事などのときがチャンスです。例えば、

「今日は、一年生を迎える会があるね。高学年として一年生を喜ばせてあげたい。このクラスには、優しい友達が多いから、きっと一年生をたくさん笑顔にしてあげられると思うよ。」

というように、活動へ臨む子どもたちに期待する姿を言葉で伝えましょう。そして、活動に参加する良い姿をみとり、

「一年生、とっても喜んでくれたね。みんなの優しい気持ちがあったから会が大成功したね。そうそう、一年生の〇〇さんがね、『お兄さんが、ゲームのやり方を優しく教えてくれて嬉しかった。』って先生に教えてくれたんだ。この話を聞いて、先生まで嬉しくなっちゃったよ!」

というように全体へ共有して価値化することで活動を終えましょう。この繰り返しが、教師と子ども、子どもたち同士の関係を良好にし、学級を「安定」という良い方向へ導く原動力となるのです!

「成長的マインドセット」に巻き込んでいく!

安定学級を手に入れるためには、子どもたちが「成長的マインドセット」をもっていることが必要不可欠です。「成長的マインドセット」とは、スタンフォード大学心理学教授のキャロル・ドゥエックにより考案されました。「人は生まれながらにして知能と能力が決まっているという「固定的なマインドセット」と、練習、忍耐や努力で、人はいくらでも学び、成長できるという「成長的マインドセット」のどちらの考え方で生活するかにより、大きな違いが生まれる。」というものです。安定学級を手に入れるためには、4月当初に「成長的マインドセット」で生活することを子どもたちに伝えておかなければなりません。僕は、学級開きである黄金の3日間にやってしまいます、どのタイミングでも実施することができます。例えば、朝の会で、

「みんなは、自分のことをどう思っている?ちょっとアンケートをとってみるからどちらかに手を挙げてね。①自分は、何をやってもだめだと思っている人? ②自分は、頑張れば成長できると思っている人?」

と聞いてみます。ここで大切なことは、「②に全員が手が挙がるようにもっていくこと」です。初質問で全員が「成長的マインドセット」の考え方になるのは難しい場合もあるかもしれませんが、「みんなは、成長できる!」ということを継続的に伝えていきましょう。そして、定期的に、

「今日の運動会は、最高だったね。みんなが頑張って練習を続けてきたから成功につながったんだ。みんなが頑張っている姿を見れて、先生もきっとおうちの方も嬉しかったよ。」

と、頑張りを成長を結び付けて言葉で伝えていきましょう。そうすることで、「自分の成長」を具体的な姿として実感できるのです。このような「確認」と「価値付け」を継続して繰り返していくことで、子どもたちはぐんぐん成長していきます。

本記事では、安定学級を手に入れるために必要な学級経営のこつをまとめました。教師の「みとり」と、みとりに基づいた「声掛け」は、子どもたちを成長させます。教師が子どもに期待して声を掛けることで、子どもは期待に応えようと意欲的に取り組んでいくのです。安定学級を手に入れるため、子どもの可能性をとことん信じて信じ抜きましょう!

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