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子どものトラブルを生む最大の敵とは。

長年教師をしていると、否が応でも「空気を読む力」というのがつきます。

残念なことに未だに大きな集団を組織しないといけないという特性上、「個」をみとるという大切さを意識しながらも、学級全体をフラットに見る力がかなり大切です。

無論、その力がないと子どもの思考に応じて授業内容を修正することなんてできません。最初から最後まで自分の用意したプランを忠実に進行するようであれば、どこまでも教師が主役の授業になってしまいますからね。

小学校では、そのような教師主導の授業を展開することは不可能です。早々に子どもたちの我慢の限界がくることでしょう。

教師の「空気を読む力」は、痛いほど磨かれています。この特性を身に付けると、何となくトラブルが起きる前兆をつかむことができます。さらに、何となくトラブルメーカーもつかむことができるでしょう。

つかんだ場合の対応方法は、千差万別です。未然に釘をさす場合もあれば、ある程度様子をみる場合もあるでしょう。ときには、釘を差しきれないこともあるかもしれません。ここにその先生の人柄が出ると個人的には思うのですが、深く言及するには文字数が足りないので、別記事送りへしたいと思います。

勘違いしてはいけないのは、全てのトラブルが悪いわけではなく、必要なトラブルもあるということです。清廉潔白な学級を目指すことはありません、あくまでも、「子どもの人間的な成長」が最優先です。

しかし、残念な事実もあります。

「トラブルは、子どもがもってくるだけではない。」

ということです。トラブルの要因を教師が作り出してしまう余計な事案があるということです。

さて、その最大の要因とは何だと思います? 本記事は、そんな話題です。

▶「教師」が整えるトラブル環境。

さて、前段でだらだらと引っ張ってしまったので、早々に答えを発表しましょう! 教師が作り出すトラブルの原因は、

「退屈。」

です!!

どうですか? 正解だったでしょうか?

簡単に言うと

「刺激のない暇な時間」

が増えることにより、必然的にトラブル因子が激増します。

大人の世界もそうですよね? 悩みや不安は、暇なときの方が生まれやすいといわれるように、子どもの世界でも子どもが手持無沙汰になって「暇」な時間が訪れるとトラブルが生まれます。

一口に「暇」と言っても、授業がつまらないという「知的好奇心を満たせない暇」と、「何もすることがないという時間的な暇」があります。

「知的好奇心の暇」は、冒頭に述べたように子どもの「暇心」を読み取って授業改善に努め、コンスタントに刺激を与え続けるしかありません。間違っても「叱って無理やり授業へ意識を向かせる方法」は使ってはいけません。教師の「叱る」という対応法こそ、子どものトラブル導火線に火をつける最良の火種なのです。

そして、もう一方の「時間的な暇」ですが、これは教師の学級経営力になります。

教師の世界では、あるあるなのですが、

「11月は、トラブルが起きやすい月。」

などと言われます。

実は一年間のなかにトラブルが激増する月というものがあります。学校によって若干のずれがあると思うのですが、その理由は、

「イベント事が終わり、子どもが暇になる。」

ということが原因なのです。

目の前に大きな目標があり、それに向かって取り組んでいるような状態は、ヤるべきことが明確なので、トラブルに時間を割いている暇はありませんよね。ただ、目標としていた活動が終わり、「暇な時間」があらわれると、それまでは気にも留めていなかった友達の行動や言動が気になりだしてしまうのです。

だからこそ、安定した学級経営ができる教師は子どもが「時間的な暇」に晒される時期に目標となる活動を予め仕込んでおき、「暇」を感じさせないよう努めているのです。

▶まとめ。

本記事では、「トラブルの最大要因は、退屈と暇。」という内容をまとめました。

余談ですが、絶対におすすめしない「トラブルを一括管理する」という方法を紹介します。

既に管理職になった先輩の話ですが、

「敢えて、『教師』対『子ども』の構図を設定する。」

という、とんでもなく尖った学級経営をする先輩がいました。

「『共通の敵』が存在すると、その集団は団結する。」

という真理をついた学級経営です。

まさか!と思い、様々なことを聞かせていただいたのですが、やはり尋常な精神では一年間もちません。

いくら教師とは言え、いい大人だからと言って、ときには褒められたいではないですか。時には頼られたいし、感謝もされたい普通の人間です。

このような「普通」の欲求があるからこそ、創意工夫をして、学級経営をしようというモチベーションとなるのです!

これからも、教師と子どもが互いに刺激し合い、充実した人生をデザインしていきましょう!!

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