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なぜ、追い込まれている時ほど結果がでないのか

先日のピースカフェ営業日、中学校二年生の店長が、

「うちの学校って、テストの後、点数が高かった人の名前が貼り出されるんだよね~」

という話をしていたのです。

そんな世間話から、自分の出身校は、学年全員の名前が貼り出された時があったな…と懐かしく思い出されたのですが、それと同時に、

「点数によるランク付けによるストレスが、本来の実力を発揮できないようにする」

という情報を思い出したので、ここに書き留めておきます。

その理由が気になる方は、この後の解説もサクッと読んでみてくださいね。

▼ランキングによるストレスの悪影響とは

#事実はなぜ人の意見を変えられないのか」に、興味深い研究が掲載されていました。

ターリ・シャーロットさんらの研究チームは、参加者の学生にテストを受けてもらい「現在の自分のランクが表示されるようにした」のです。

すると、テストを開始したとたん、点数が劇的に下がったとのこと。

これは、

「テストの点数によって社会的な屈辱を受けるのではないかという不安や競争へのストレスが思考力を阻害した」

と分析されています。

しかし、この研究のおもしろいところは、ここから。

大半の学生が点数を落とす中、そんなストレスを受けながらも最終的に点数を上昇させたという学生が数人いたのです。

さて、その学生たちは、一般の学生と何が違ったのかと言うと、

「扁桃体と前頭葉の働き」

だったのです。

「扁桃体」というのは、人間の不安や恐怖を担当している脳の部位であり、「前頭葉」は、計画や実行機能などを担当しています。

「テストの点数が共有される」という状態は、テストを受ける側にとってみればストレス以外のなにものでもありません。

よって、扁桃体は、屈辱を受けるかもしれないという危険信号に反応し始めます。

しかし、「テスト結果を伸ばした学生の偏桃体は反応はしたものの、急速に活動が低下し、その代わりに前頭葉の働きが活発になった」というのです。

その結果、恐怖という意識から脱し、目の前のテストに対して集中を保つことに成功したことが、点数につながったと推測されるのです。

ただ、ストレスがテスト結果に影響を与えているということを実感している人はほぼほぼいません。

多くの場合、ストレスが本来の実力を阻害するという反応は、無意識のうちに行われているのです。

▼日常生活の中のストレスによるネガティブ反応

ここまで、僕たちは、「ストレスによって本来の実力を発揮できなくなるよ」と書いてきましたが、このような残念さは、様々な面に応用できてしまうのです。

例えば、「今日はとことんついていなかったな。」なんて思う一日を経験した人も多いでしょう。

「朝から晩まで、失敗だらけ。よかれと思ってとった行動は、裏目に出る。」

なんて、落ち込むことがあったとしたら、その日は、「ネガティブ思考に囚われていただけ」かもしれません。

というのも、僕たちの感情というのは、「どのように考えているか」によって左右されます

よく例として出されるのが、「コップの水理論」。

「まだ、半分残っている。」

と捉えるか、

「もう、半分しかない。」

と、捉えるかで、同じ水の量でも180°意味合いが変わってきますよね。

これは、「同じ事実でも、あなたが『どのように考えるか』によって状況が変わる」ということを示しています。

そして、その「考え方」は、直前の気分に大きく左右される。

もしかして「とことんついていなかった」と振り返った日は、その日のスタート早々に「思い通りにいかないこと」に直面し、気分がネガティブに寄っていたのかもしれません。

そんなネガティブにどっぷり浸かっていると、どんな状況になっても、ネガティブに捉えてしまうもの。

・普段は気にしないであろうことが気になって仕方がない。
・もう全てが終わり。未来なんてないと思ってしまう。
・相手の慰めが皮肉に感じる。

などなど、やることなすことネガティブになってしまうのです。

さらに厄介なのは、僕たちの「気分」というのは、何気ないことで変化するという事実。

例えば「天気」のような、自分ではどうしようもないことでも、影響を受けていることが分かっています。

ある研究で、「ランダムに電話をかけまくって気分を聞く」というものがあります。

その結果、

「たまたま晴れていた地域に住んでいた人の方がポジティブな気分だった。」

ということが分かりました。

もちろん、気分を答えた本人は、自分の今の気分が天気によって影響を受けているなんてことは、これっぽっちも意識していません。

さらに、天気によって人間の気分と行動が変わる例として、「宝くじ」があります。

ロス・オットーさんらは、ニューヨーク市における宝くじの売り上げを分析した結果、

「思いがけない良いことが起き、ポジティブな気分になると宝くじを購入する人の数が増える」

ということを突き止めました。

これは、「試合に勝ち続けているスポーツチームのグッズがよく売れる」という現象にもつながっているのかもしれません。

このように、僕たちの気分は周囲のちょっとした状況に大いに影響を受けるだけでなく、その影響によって僕たちの次の行動も影響を受けているのです。

▼自分の気分を使いこなすために

「できることなら毎日ご機嫌でいたい」と願ってはいても、社会の一員として人間関係の中で生きていくには、気分が下がるのも致し方ありません。

では、ネガティブに囚われた時にどうすべきかなのですが、

「今の自分の気持ちを客観的に捉える」

という意識をもつことが、ご機嫌な一日を送る手立てとなるでしょう。

もちろん、「あぁ、またネガティブに染まっている」と気づくことができれば良いのです。

ちなみに、ポジティブな時は、あまり自分を顧みず、がつがつ前向きに突き進んで方が良いみたい。

というのも、「『あっ、今自分はポジティブだぞ!』と意識しない方がポジティブが長続きする」という研究結果もありますからね。

しかし、ネガティブは別。

「自分がネガティブになっている!」と気づくことで、

「あぁ、今は、どんなことが起きてもネガティブに捉えちゃうから、今の感情が全てではないかもしれないぞ。」

と、自分の感情とちょっと距離を取ることができれば、一気にネガティブ沼から這い上がってこれる可能性が高くなります。

まずは、ネガティブ中心地から距離を取り、自分の立ち位置を客観的に見つめ直すことが最善なのです。

▼まとめ

本気時では、「ネガティブにはまると、何をやってもネガティブになるよ」という内容をまとめました。

もちろん、ネガティブから抜け出す方法は、人によって様々です。

そんな多種多様な方法ですが、共通しているのは、

「ネガティブを避けるというのは、さらに強烈なネガティブを引き寄せる」

ということと、

「ネガティブな時こそ、立ち止まってはいけない!」

ということ。

人間は、ストレスや恐怖を感じると、「立ち止まる」という選択をしがちなので、敢えて「行動する」ことが超絶大事です。

そんな「行動」についてこちらの記事にまとめておりますので、ぜひとも合わせて読んでみてくださいね。







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