「心の静寂」を取り戻す5つの方法
前回の記事では、「世の中は騒音に満ちていて、大切な『自分と向き合う時間』を邪魔してくるよ」という内容を書きました。
「そんな大げさな…」と思うかもしれませんが、騒音というのはバカにできません。
1970年代のマンハッタンの中学校で行われた実験がおもしろいので簡単に紹介します。
その中学校では、校舎が地下鉄の高架線に面していため、授業中も騒音に見舞われていました。
一方、反対側の校舎では、静かな環境で勉強できたとか。
このような対照的な学習環境に置かれた生徒たちに読解テストをしてもらったところ、
というとんでもない結果がでたのです。
もちろん、騒音学級に属していた生徒の方が点数が振るわなかったということですよ。
「どんな場所でも住めば都、しばらくすれば慣れるでしょ」というご意見もあるかと思いますが、環境を選択できるのであれば、間違いなく騒音レベルの低い場所を選ぶことをおすすめします。
ただ、前回の記事でも触れましたが、「聴覚騒音」や「情報騒音」は、環境と自制心によってある程度は防ぐことが可能。
しかし、「内部騒音」を防ぐことはなかなか難しい。
そこで、本記事では、人間の最大のハードルである内部騒音を鎮め、静寂を取り戻す方法についてなるべくお手軽なものを厳選し、5つ紹介します。
▼「静寂」を取り戻す5つの方法
「内部騒音」というのは、簡単に言うと「自分の内側で交わされるやりとり」のこと。
「不安」とか「心配」は頼んでもいないのに湧き上がり、僕らの気持ちを掴んで離しません。
あまりにもしつこく付き纏わられると、次第に気持ちが沈み、行動が消極的になってしまうことすらあるでしょう。
そんな継続的な内部騒音が負のループにハマるきっかけとなる場合すらあるのです。
そんな残念な結末に至らないためにも、「心の静寂」を取り戻す方法は、なるべく複数持っていたほうがよい。
人によって合う・合わないがありますからね。
ぜひぜひ、お気に入りの方法を見つけていただきたいのですが、本日紹介する方法は、
の5つでございます!
では、さくっと解説していきますね。
▼①呼吸を意識する
脳は考えることを止めません。
#chatter
だからこそ「一旦落ち着こう!余計なことは考えるな!」と自分に言い聞かせたところで無駄。
「シロクマのことは考えないでください」と言われると、シロクマが頭から離れなくなるなんて実験もあるように、僕たち人間は考えたくないことほど、繰り返して考えがちになるのです。
#シロクマのことだけは考えるな!
そんな思考の騒音を静寂まで導くには「思考を自分でコントロールする」ことが有効になります。
その方法として、最初に紹介したいのは「呼吸を意識する」ことです。
誰しも起こり得るのですが、緊張したり不安感に包まれたりすると、呼吸が浅くなってしまいます。
そんな時こそ「呼吸に意識を向ける」ことで、「自分の思考の状態に気づく」ことができるのです。
強度のストレスやプレッシャーを受けている状態だけでなく、「タスクとタスクの合間に呼吸を意識する」ことも有効です。
じっくりゆったり呼吸をすることによって意識が自分の内面に向かい、「静寂」を取り戻すことができるのです。
▼②丁寧に行動する
続いて紹介するのは、「丁寧に行動する」ことです。
人間は、焦っているときや心此処にあらずのとき、無意識でやり過ごしてしまいがち。
例えば、遅刻しそうになり、焦って家を飛び出したあと、「あれっ?家のカギ、かけたっけ?」なんてことありません?
このような無意識は、思考が騒がしいからこそ起きやすい。
逆に言えば、思考が忙しい時ほど、「いつもの行動を丁寧にやってみる」ことで、静寂を取り戻すことができるのです。
もちろん、「ながら行動」なんてもってのほか。
忙しい現代人ほど複数の仕事を同時進行なんてのが格好良く見えますが、「マルチタスクは効率が悪い」ということが分かっています。
同時に仕事が片付くのでなんとなく捗った感は出るのですが、仕事を切り替えるたびに脳のリソースが奪われるため、効率が悪いし疲れるしといった散々な状態に陥る可能性もあるのです。
もちろん、思考の騒音に火を付けるのもマルチタスク。
ぜひとも、忙しい時ほど、「いつもの仕事」に意識を向けて丁寧さを心がけましょう。
そして、思考を「今」に呼び寄せて「静寂」を取り戻してくださいね。
▼③運動をする
ここまで紹介した方法は、「その場で実践できる方法」でした。
ここからは、多少の移動が必要なってきます。
ということで、次に紹介するのは「運動」でございます。
やはり、心も体も元気に充実させたいのであれば、運動欠かせません。
#脳を鍛えるには運動しかない
運動がお好きな方ならイメージしやすいと思うのですが、「体を動かしているとき、思考が騒音で満たされることはない」でしょう。
よほど運動量の少ない種目でない限り、運動中まで思い悩むことはできませんよね。
だからこそ、頭の中が騒音で満たされそうになったのであれば、一旦活動を切り上げて体を動かすことで「心の静寂」を取り戻すことができるのです。
要するに僕たちが囚われてしまう「騒音」は、ちょっとした「余白」があるからこそ生まれてしまう。
だからこそ、囚われそうになったら「考えちゃだめだ!」と自制心に頼るよりも、散歩に出かけたり、体操や筋トレに取り組むことで、心も体も「静寂」に包まれることができるのです。
▼④自然と戯れる
「森林浴」なんて言葉がありますが、僕たち人間は自然と関わることで様々なネガティブに対抗できることが分かっています。
もちろん、住んでいる場所や自由に使える時間には個人差がありますから、自然に癒やし効果があるからといって山奥に引っ越すなんて思い切った行動はできないでしょう。
しかし、自然の癒し効果のお得なところは、「手軽に短時間でも効果あり!」と確認されているところにあります。
どれくらいお得なのかというと、
と、確かめられているくらいお得なのです。
ですから、ちょっとした休憩時間に自然に触れることができる場所へ移動して深呼吸する程度でも、あなたの騒音にまみれた頭の中は、再び静寂を取り戻すことができるでしょう。
せっかくなら③で紹介した運動を取り入れてみるのがおすすめ。
短時間でも仕事場から抜け出し、木々を愛でながらゆったりと散歩するだけでも、かなりのリフレッシュ効果があるはずです。
▼⑤畏敬の念に触れる
ここまで、静寂を取り戻す方法について”手軽さ”を意識して紹介してきました。
最後に紹介するのは「畏敬の念に触れる」ことなのですが、紹介する前に白状しておくと、これだけは手軽ではありません。
その分効果絶大!
ぜひ、まとまった時間を投入してみてくださいね。
さて、畏敬の念に触れるとはどういうことかというと、ざっくり言って、
ことを示しています。
例えば、悩みを抱えた主人公が海辺で佇み、きれいな朝焼けに感動し、「自分の悩みなんて取るに足らないものだ」と再認識するようなこと。
絶賛悩み抱え中の人にとっては乱暴な表現になりますが、僕たちの抱える悩みというのは紀元前を生きた祖先たちも悩んできたことなのです。
何が言いたいのかというと、「人間が抱える悩みの多くは、誰しもが抱えるものである可能性が高く、それほど時間をかけて悩む必要はないものであるかもしれない」といったら言いすぎでしょうか。
「他者の悩み相談には的確に答えられるのに、自分の悩みになるとくよくよ思い悩んでしまう」なんてことはあるあるですよね。
これは、「悩みの中心地に近づけば近づくほど自分が見えなくなる」という典型でございます。
要するに、悩みを抱えている状態は、「客観的な判断がつかないほど騒音にまみれている」とも言えます。
そんな騒音状態から静寂を取り戻すために、「自分一人の力では、到底力が及ばないような経験をする」ことによって自分の立ち位置がはっきりと見えてくるのです。
などなど、自分ひとりでは到底成し遂げることができないもの・ことに触れることが、あなた自身の静寂を再び呼び覚ましてくれるのです。
▼まとめ
本記事では、「静寂を取り戻すおすすめ方法」を5つ紹介しました。
もちろん、静寂を取り戻す方法はこれだけではございません。
大切なのは、「無意識な状態から脱して意識的になること」です。
日々、忙しくしていると自分の周辺に転がっているチャンスやおもしろさ、幸せのかけらをスルーしてしまうかもしれませんよね。
ぜひぜひ、ご自身に対して意識的になることを意識し、日々の生活の中に「静寂」をデザインしてみてくださいね。
▼コミュニティメンバー募集
「子どもと大人が夢を共有する地域の居場所」としてオープンしたピースカフェは、皆様のご支援で運営しております。
共に「第三の居場所づくり」を進めてみませんか?
▼「不登校の教科書」
不登校をチャンスに変える本、『不登校の教科書』をリリースしました。
kindleでダウンロードできますので、ぜひ✨
👉https://amzn.to/43zvMs6
いただいたサポートは、地域の「居場所」へ寄付させていただきます!