編集とは削ぎ落とす作業である
雑誌にしろ、本にしろ、ウェブにしろ、
編集っていうのは、いろんなものをあれこれ詰め込むって思われがちなのですが、
結果として、これは逆効果。
“何でもあり”は、“何にもなし”だから。
何をうたいたいか、一番言いたいことは何か、強味のあるセールスポイント、それだけでいいんです。
そうお伝えすると、たいがいの方が尻込みされます。
これも大事だけど、あれも大事、いいところは、まだまだたくさんあるんです、と。
保険が欲しいのでしょう。
そんなとき、私が例に出すのが、洋食屋さん。
そのお店の目玉がハンバーグだとします。
畜産農家らから直接仕入れた地元の銘柄牛を100%使い、切るとじゅわ〜っと肉汁があふれ、醤油や味噌をきかせた和風フレイバーただようハンバーグが。少なくとも周辺には似たようなハンバーグを出す店はない。
でも、そのお店が、
うちは付け合わせのポテトサラダもいいし、
ごはんもなるべく炊きたてに近いものを出せるよう、あえて大きな炊飯器を使わないし、
味噌汁の味噌だって特別に作ってもらっている、
と、それらを全部見せたとします。
すべてまんべんなく得意であればそれもありですが、
本当はハンバーグが自慢なのに、あれもこれも入れて幕の内弁当にしてしまうと、
薄まってしまって、お客さんは、ハンバーグの素晴らしさを見逃してしまいます。
全然エッジがきかないんですよね〜。
こんなときは、“ハンバーグだけ”をちゃんと打ち出せばいいんです。
まだ心配ですか?
イメージしてみてください。
ハンバーグが売りだからといっても、それだけでオーダーする人はまずいないし、最初からセットになっている場合もほとんど。
ってことはほっといてもお客さんは、ポテトサラダもごはんもお味噌汁も体験するです。
そこで、このお店はハンバーグもだけど、ほかも手を抜いてなくっていい!って評価になることは、おおいに可能です。
そうして、結果として、あれもこれもいい、ってことになるんです。
なので、実際にはあれもこれもやっていても、打ち出すときは絞り込んだ方がいい。
まずは、の強力なとっかかりを作っておけば、お客さんにほかのものまで見せるチャンスはちゃんとあるんです。
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