もっと知られてほしいHPVワクチンのこと〜男性視点から〜
※8/6 コメにて情報頂きましたので、加筆修正しました。
はじめに
当記事はタイトル通り、HPVワクチンの話となります。あくまで医療の素人の私が、インターネットの情報やかかった医者の先生より聞いた伝聞を自分なりにまとめたものです。かなり限定された情報となっておりますので、当記事の情報はあくまで参考程度としてください。実際のワクチン接種におかれましては、かかりつけのお医者様とよくご相談の上で検討をお願いします。
このnoteが、HPVワクチンを知るきっかけの手助けとして役立ててれば幸いです。
そもそものきっかけ
元々HPVワクチン、というものの存在はTwitterを通して知っていました。主に子宮頸がんに有効と、女性向けではあるけど男性にとっても有効である、という程度の認識です。
こちらのtaka先生という、信頼できるお医者様のアカウントのツイートで初めて知りました。(taka先生の医療情報は確かであり、親しいお医者様も皆信頼のできる方なので、フォローオススメです)
その程度の認識で、覚えておくかー程度だったのですが、その程度の私が先日HPVワクチンを受けようと本気で考え始めたのは、結婚を前提にお付き合いさせていただいている彼女から、HPVワクチンを受けてほしい、と言われたからです。彼女も、ワクチンについては私と同程度の認識でした。いいきっかけだなと思っていて、かなり前向きに検討していました。発端はそれになります。
HPVワクチンって何?
正直なところ、私もつい最近知ったくらいのワクチンであり、あまり知名度は高くないと思います。なので、非常に簡単に説明します。
※参考スレッドです。かるめに、とありますがかなり濃い解説がなされています。必読です。
このワクチンは、文字通りHPVによる感染を防ぐワクチンとなります。HPVとは、ヒトパピローマウイルスの頭文字を取った略称であり、このウイルスは、子宮頸がんの原因の95%を占めております。このウイルスの感染経路は主に性交渉によるものであり、性交経験者の女性であれば大多数が、男性でも女性ほどではないもののかなり多くが感染しているウイルスとなります。性交渉の経験が多いほど感染リスクは高くなります。ハイリスク型とローリスク型があり、子宮頸がんを引き起こすのはハイリスク型になります。(ハイリスク型・ローリスク型共にウイルスの型は複数かあります。ここでは省略するので参考スレッドを見てください)
このハイリスク型によって、子宮頸がんに至るまでは何十年の潜伏期間があり、多くは自然治癒するものの、発症まで至るケースがあります。特に20〜40代の子育て世代の女性に多く発症し、マザーキラーとも呼ばれているウイルスです。また自然感染後に抗体が十分に生成されず、再感染の可能性も高い非常に危険なウイルスです。
男性においても、肛門がん・陰嚢がんの原因となるウイルスです。
子宮頸がんは、このHPVワクチンを適切に接種すればかなりの高確率で防げます。
こちらの先生の解説と、文献が分かりやすいです。唯一の「防ぐことができるガン」です。
現状では、(若い世代ではわかりませんが…)まだ積極的に推奨されていないものの、非常に有用なワクチンです。
ワクチンの種類とガーダシルについて
HPVワクチン、現在は三種類あります。
・サーバリックス
・ガーダシル
・シルガード9
※男性はガーダシルのみ
下に行くほど新しいワクチンとなり、対応できるウイルスの数が増えます。
お詫び:8/6以前の当記事において、ガーダシルの方がサーバリックスより古いワクチンとしていましたが、逆と指摘を受けました。訂正し、深くお詫びいたします。
このうち、サーバリックスとガーダシルは、近年では若い世代の女子(おおよそ12歳)は定期接種の対象となり、公費助成の対象です。
私は男性ということもあり、ガーダシルの話しか聞けていないので、そちらの話に限定させていただきます。この中ではガーダシルが安価で普及しており、おそらく最も一般的かと思われます。
接種は合計3回、初回から2回目は2ヶ月の期間を置き接種します。2回目から3ヶ月後に、3回目を接種します。完全に免疫がつくまで、合計で6ヶ月の期間がかかります(1,2回でも免疫がつきますが、不完全です)。費用は3回合計でおよそ45000円程度です。
副作用としては、主に患部の腫れ、赤み、まれに発熱や出血があるそうです。失神したという事例はあるものの少なく、休養で対応可能なのでそこまで深刻な副作用は出ない、という認識でいいかと思います。この辺り、マスコミの報道によりかなり誤解されており、一時期は安全性が確認されていないワクチンというデマが流れましたが、そんなことはありません。事実として、既に定期接種の対象となっております。
実際に話を聞いてみた
これら説明の情報は、後々知ったもので最初にお医者様(男性の場合泌尿器科)に話を伺った際は全然知りませんでした。そのため、時系列が逆転するのですが…。
最初にお医者様に話を伺ったところ、正直なところあまり分かってなさそう、という印象でした。(もちろん、知ってる限りでの説明は聞けましたので、感謝はしております)
そもそも男性が接種するケースが非常に稀であり、あまり無理に受けなくても問題ない、と言われました。主な理由としては以下の通りです。
・性交経験がある場合既に感染してる可能性がある
・その場合効果はかなり薄れる
・特に男性の場合、症状が無い場合特に脅威ではない
という物でした。お医者様の話であり、その言葉は信じていましたがどうしても不安なところもあり、後日彼女にも産婦人科にて同じことを聞いてほしい、と頼み聞いてもらいました。
聞いてもらった結果、男性の接種は想定していなかったとのことで、かなり驚かれたとのことでした。話の内容としては、私が聞いたのと同じ感じで、性交経験がある場合あまり効果がない、とのことでした。
両先生のお話を聞き、検討した結果…。
私は受けない選択肢を取りました。理由は、私の場合性交経験があり、男性ということもあり効果があまり期待できない、ということであり、価格もかなりの高価格となるなど、コストに見合う対価を見出せなかったからです。対して彼女は受けるという選択を取りました。私からは受けるように言っておらず、彼女の意思です。しかし、これは他人事ではなく、私だけコストを支払わないというのも何か違う、と思ったので、例えば彼女の費用を負担する、といった形で二人の問題にしていこうと考えております。
もっと知られてほしいHPVワクチン
私は受ける気がかなりありましたが、時すでに遅し、といった状況でありました。もし、このワクチンを若い頃に知っていたら、間違いなく自費であっても受けていたでしょう。
命を確実に守れる選択肢で、50000円以下は安いものです。また、taka先生曰く夫婦間でピンポン感染もあるとのことなので、パートナーの命も守ることにつながります。
しかしながら…現状は価格の面で、公費助成が使えない場合かなりハードルが高いのは事実です。
今は女子のみ公費負担ですが、男子にも有効であるワクチンなので、ぜひ男子にも公費助成の対象となってほしいと願っております。そして女子を持つ親御さんには、このワクチンの存在を覚えておいて、年頃になりましたら必ず定期接種をさせてほしいと思います。まだあまり積極接種されていないワクチンだからこそ、親御さんのサポートも大事だと思います。そして、これが当たり前になれば、一般的なワクチンになり、新たに研究が進み、より安価で、より様々なウイルス種に対応できるものが生まれてくるでしょう。そうすれば、より多くの命が救われ、皆で幸せになれるかと思います。
以上、お読みいただきありがとうございました。
追伸:こういうことは言わないようにしていますが、この記事はよろしければ是非Twitterなどでシェアしていただき、noteのオススメやスキをくださると嬉しいです。より多くの人に取っ掛かりとして読んでいただけたらと思います。
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