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魑魅魍魎(拡大するSNS格差)

SNSの哀しき現実

もうみんな気づいているかもしれないが、SNSは勝者総どりの世界だ。もともとそういう構造ではあったけれど、X(旧ツイッター)の仕様変更でIMP数が表示されるようになってから、その傾向がいっそう加速したように思う(IMP数とはその投稿が何回見られたか可視化した数値)。

多くの人はその投稿を見ただけで内容の良しあしが判断できない。「どれくらいイイネがついているか」で判断する。イイネが多くついていれば良い投稿だと思い、ついていなければ取るに足らない投稿だと思う。

馬鹿にするな、ちゃんと内容を見ているわ、と反論がありそうだけど、試してみてほしい。Xで気になっているワード(ある程度話題性があるもの)を検索して、人気順ではなく時系列で投稿を見てほしい。上手な言葉で的確な意見、個性的な意見を言っている人がたくさんいる。

それなのに、まったくイイネがついていない。理由は、イイネがついていないからだ。イイネがついていないからイイネがつかない。バグのような無限ループ。イイネがたくさんつく人は、イイネがたくさんつくからそうなっている。

勝敗の無限ループ

人間のバイアス✕機械のバイアス

おかしな話のようだけど、実は何もおかしな話ではない。何かの権威付け(イイネ数)をもとに評価をくだすのは、人間の特性だ。行動心理学でハロー(後光)効果と呼ばれている。フォロワーがたくさんいるからフォロワーが増えるも同じ原理。

たとえば、投資歴10年、フォロワー10人よりも、投資初心者、フォロワー1000人の意見が100倍ありがたがられる。不合理だが真実。この文章をみて今は不合理に思えても、いざその場面になると不合理な行動を選択する。

SNSが恐ろしいのは、人間に心理バイアスがかかるのは仕方ないとして、機械までアルゴリズムを使って同じことをする。つまり、イイネが多いほど、フォロワーが多いほど、発言の品質が高いとして、プラットフォーム上で優遇される。人間の心理バイアスが機械によって爆発的に拡大される。

IMP(インプレッション)表示による格差の加速

中身は関係ない。見た目こそがすべて(現実世界も同じような気がしますが)。フォロワー数・イイネ数の多い人間が強者、少ない人間が弱者。Xにいたっては、イイネ前のIMPを可視化したため、弱者がいっそう弱者になり、「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」という身分をつくりだした。

Xでは別の秀逸な表現をしています

なお、わたしはその魑魅魍魎の一体。先日、まさかの「IMP1」という記録を達成した(その1は自分自身?)。弱者の発言はそもそも他人の画面に表示されないのだ。

わたしの魅力があまりにないために、SNSでも弱者なのかとも思ったが、客観的に考えて仕組みによる影響のほうが大きいだろう(皆様もSNSの反応がないからといって、あまり気にしないでください)。

先ほどの「見た目がすべて」じゃないけれども、SNSが世界の構造の写し鏡だとしたら、世界はなんて残酷なところなんでしょうね。わたしのことは「IMP1男」と呼んでください。


※もし哀れだと思ってくださる方がいたら、ぜひ「@rockstar_narite」をフォローください。IMP1の奇跡をあなたは目撃する!

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