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それでも良い時代になったなあと思う

 ※今回は言葉足らずなところが多々あるかと思う。そのため読者の方には不快な思いをさせてしまったり、誤解を与えてしまう恐れがあるかもしれないことを最初にお断りしておく。
 さらにこれは現状を伝えたり訴えたりするような記事ではなく、一人の人間が自己満足で思うがままに書いた一つの読み物として読んでいただけたらと思う。

 小1児童の背中に「先生の給食を勝手に食べました」と反省文、校内歩かせた女性教諭を処分(読売新聞オンライン)
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https%3A%2F%2Fnews.yahoo.co.jp%2Farticles%2Ff315b318609fc0eb128f48d133e4a76b543e079e&preview=auto

 少し前になるが、Yahoo!ニュースでこのような記事を読んだ。今回はこのニュースについて、個人的に思うことをいろいろと書いてみたいと思う。

 まず第1に、特別支援学校育ちの人間からすると、あーこういう先生よく居るよなあとそれほど驚かない話だったりする。
 私は幼稚園からずっと盲学校(現在は視覚特別支援学校)に通っていた。
 このニュースのように、そこまで露骨な物ではなかったにしても、盲学校に居た10数年の間、生徒に対する先生からの陰湿な言動や行動を度々見聞きしてきた。そして私自身も覚えていないだけで、多かれ少なかれされていたのだと思う。それだけそのような事案はよくある話なのだ。

 それにしても、この先生がしたことは本当に許せないと思う。
 被害生徒の障害の程度が言葉を話すのが難しい重度だった場合、「先生からこんなことをされた」と周りに訴えることさえできないのだ。先生はそのことを分かっていた上で、背中に張り紙を張ってもどうせこの子は言葉を話せないんだからばれないだろうという考えでそのような行為を働いたのだとしたら…。そう思うと卑劣極まりない。だからこそよけいに腹立たしくて許せないのだ。

 だがしかしその一報でこんなことも思った。
 記事によると、事が発覚したのは張り紙を張られて廊下を歩く生徒を見かけた別の生徒の保護者からの指摘だったという。
 不謹慎な言い方に聞こえるかもしれないが、保護者が特別支援学校の先生に対して意見できるなんて、今は良い時代になったなあと思った。
 というのも私が盲学校に通っていた20年30年前は、障碍者の親は特別支援学校の先生の言うことややることは全て正しいのだと信じ込んでいる節があったように思う。私は子供を育てた経験が無いのでよく分からないところもあるが、それでも障害児を持つ親にとって、1番頼れる場所はたぶん特別支援学校なのだろう。だからそう思わされてしまうのも仕方ないのかもしれない。
 でもそれは障碍当事者にとっては、自分の感情や思いを表出できない環境に追い込むことになるのだ。
 特別支援学校に限らず、学校というところは自由が無くて息苦しい。先生の言うことが絶対である。そこから少しでも逸脱するような言動や行動を取る者は認めない、そんな風潮があるように思う。
 そのような環境で、先生から嫌がらせを受けたり、自分の思いややりたいことを先生に否定されたりしても、親は先生の言うことの方が正しいと信じ込んでいるので、誰にも自分を分かってもらえず、そのうちに感情を押し殺すようになるのだ。それは私自身もまさにそうだった。
 いくら学校の先生でも間違っていることは間違っている。親側がそれに気がついてはっきりと指摘できるようになっただけでも、特別支援学校育ちの私からしたらものすごく良い動きだと思う。

 つい先日も、北海道の障碍者施設でスタッフから利用者に対する虐待行為が行われていたというニュースがあったばかりだ。弱者を取り巻く悲惨な事件が少しでも無くなってくれる世の中になることを、一人の障碍当事者としても願うばかりである。

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