2024年6月の記事一覧
短歌十四首 【2024年5月まとめ】
【5月自選五首】
いっこ、にこ、たいせつそうに数えては路傍の石を貴石にしてゆく
あらたしき言葉を吸ひこむ 図鑑見てしーらかんすとくり返してゐる
泣きつかれしみいる甘さいつだってぼくの味方のフルーツオ・レ
はないちげ紅碧に咲く とほき日にきみとうずめし秘密の在り処
揺らく夢 ゆるされぬ夜に欠けてゆく月におぼゆる人のおもかげ
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春の道 吾子
短歌十首 【2024年4月まとめ】
茜さすうすむらさきのランドセル吾子のせなかはすこしおおきく
川辺には緋寒桜、見上ぐればわたしの春がリライトしてゆく
アスファルトつよく蹴りだし飛び立った背にはおおきなおおきな翼
ひるさがり耳朶のにこ毛が陽に透けてまどろむ吾子のぬくもりを抱く
花柄のたまのれん一緒につくったね 思い出は消えない祖母の家
雌伏する星霜を経し三柱は焔と凍りの竜を背負ひて
じゃがいもはじゃがいもらしくごろごろと